Facebook広告の掲載条件と設定のコツ

承認されたFacebook広告が実際にどれくらい配信されるかというのは、配信を考えている企業や人にとって最も興味のある部分だと思います。また、既に配信設定をしている方の中には「正しく配信設定をしているにも関わらず、まるでインプレッション数が増えていない」という方もいるかもしれません。そのような場合、主な原因として、eCPM(推定)という要素が影響している可能性があります。

今回は特にこのeCPMを使ってランキングされる広告のパフォーマンスについて、重点的に解説をします。これは、Facebook広告を配信するにあたってとても重要な視点なので、広告を配信する方は意識するとよいでしょう。

配信に影響する3大要素

2011年5月30日現在、Facebookの広告配信には主に以下の3つの要素によって決定されています。
・金額
・品質
・パフォーマンス

なお、設定した広告でもFacebookによって承認されずに配信できない場合があります。それは、どういう場合なのか、改めて注意点を整理しました。

なお、Facebook広告の基本については、以下の記事を参照してください。

Facebook広告初めてガイド

Facebookの新広告「スポンサー記事」
新しくなったFacebook広告インサイト:何が変わったのか

Facebook広告の掲載はオークション方式

Facebookでユーザーがページを1回表示したときに表示される広告枠の最大数は、スポンサー広告、スポンサー記事合わせて4枠です。

同じターゲットに複数の広告主が広告を配信した場合、設定した最大入札額が高い広告ほど優先的に表示されることになります。

例えば、既に3枠が埋まっており、掲載枠が残り1枠という状態において、次の2つの広告が配信設定をされている場合、オークション形式で競り合うことになります。

・化粧品の広告:CPC100円

・アクセサリーの広告:CPC200円

この場合は、アクセサリーの広告のほうが高い金額を提示しているので、アクセサリーの広告が表示されます。この時、競り勝つのに必要な101円が実際の広告費用となります。

広告の品質も考慮される

価格だけではなく、品質も影響します。品質は、様々な要因で決定されるようですが、そのうちの大きな要因となるものが広告を見たユーザーからのフィードバックです。

Facebookに表示される広告の右上にマウスを置くと、その広告を削除できる[☓]ボタンが表示されます。これをクリックすると、該当の広告が削除され、以下のような画面が表示され、ユーザーは削除した理由をフィードバックとして返すことになります。

ネガティブなフィードバックが多い広告は、品質の低い広告とみなされ、通常の広告よりも露出の機会が抑えられてしまいます。

広告のパフォーマンスも影響する

Facebookでは、広告の配信パフォーマンスから、eCPM(推定CPM)を計算して、よりクリックされる可能性の高い広告を優先的に配信します。

eCPMとは、以下の計算式に基づいて計算されます。

eCPM=CPC入札価格×クリックスルー率(CTR)

例えば、

広告Aが、CPC入札価格が50円で、CTRが1.0%の場合は、広告AのeCPMは50となります。

広告Bが、CPC入札価格が100円で、CTRが0.1%の場合は、広告BのeCPMが10となります。

よって、この場合は広告Bのほうが入札価格が高いけれどパフォーマンスが悪いので、広告Aのほうが高くランクづけられます。よって広告Aが優先的に表示される可能性があります。

配信開始した当初にCTRが低いと、その広告のeCPMは低く見積もられます。

また広告の配信が長期になり、CTRが下がってくると、その後のその広告のeCPMは低く見積もられます。このeCPMという概念により、入札価格が高くても表示されない、という結果になります。

事例:二つの広告クリエイティブの露出回数を比較

先日、大阪で開催予定のセミナーについての案内広告を配信しました。これは、あるメディアの企画として配信したもので、配信対象を大阪市に限定しました。このときは一つのキャンペーンでクリエイティブを2種類用意しました。一つはセミナーの名称をいれたもの、もう一つはセミナーの名称はいれないで内容を紹介したものです。

キャンペーンの条件は以下のとおりです。

・配信期間 2011年5月18日ー23日
・1日の予算 1,000円

配信した広告のクリエイティブは以下のとおりです。

・セミナー名を入れたもの

・セミナーを開催することだけを通知したもの

どちらも、セミナーの詳細案内のページをリンク先としています。

皆さんは、どちらをクリックしたくなりますか?私の事前予測では、セミナー名を明記した一つ目のほうがわかりやすいので、クリックされやすく、二つ目の広告はあまりクリックされないだろうというものでした。

しかし、結果は二つ目のほうが多くクリックされることになりました。

以下が実際の配信レポートです。

レポートを元にグラフを作成しました。左側がインプレッション数、右側がCTRをグラフにしたもので、青が一つ目の広告、赤が二つ目の広告です。

初日は、CTRだけを見るとセミナー名を明記したもののほうが高いのですが、実際のクリック回数は3回、次の日以降はクリック数ゼロになってしまい、その後、ほとんど露出機会が得られませんでした。初日のインプレッション数も低くなっているので、もしかしたら配信直後にネガティブなフィードバックがあったのかもしれません。

大阪セミナーとだけ書いたものも、クリック率はこれまでの自分が配信した広告の平均から見ると高くはありません。しかし、もう一つの広告よりはクリックされました。よって、二日目以降はこちらの広告が優先的に表示されるようになりました。結果として、最終的な露出の機会は、7.6倍になりました。

このことから、クリック数が低いと露出の機会が減ってしまい、まったく表示されない広告となってしまう可能性があります。よって、広告を配信するときは、クリック率や表示回数を確認しながら、調整して最適な広告配信をする必要があります。

eCPMは誰にメリットがあるのか

eCPMのランクが広告配信に影響するということは、クリック率の低い広告は表示されにくくなるということです。これは、誰にどういうメリットがあるのでしょうか。

ここである条件を想定してみましょう。

広告主Aが以下のような条件で広告を配信しています。

CPC:10,000円
1日の予算:100,000円
期間:無期限

そして、この広告のクリック率は0.001%とします。

つまり、広告主Aはクリック率が非常に低い広告を通常より高いCPCで入札しているということです。予算も潤沢です。クリックされない限り費用が発生しないことを考えるとかなりのインプレッションが期待できるでしょう。

もし、広告配信の条件に金額のみが考慮されるのであれば、予算が少ない他の広告主は、この広告主Aに太刀打ちできないことになってしまいます。

しかし、eCPMのランクも考慮されるのであれば、他の広告にも露出の機会がまわってきます。つまり、eCPMは広告配信の機会均等を維持するということが一つの目的であるようです。

また、広告を見る立場にあるユーザーにとっても、クリックしないような広告がいつまでも表示されるよりは、興味をひかれる広告が配信されるほうがよいでしょう。つまり、ユーザーにも少なからずメリットがあるということになります。

そして、もう一つがFacebookの収益の問題です。クリックされない限り課金されないCPCで設定した広告が、誰にもクリックされないまま限られた広告枠を専有するのは、Facebookにとっての機会損失になります。よって、Facebookにとってもメリットのあるシステムであると考えられます。

承認されないFacebook広告とは

ここで、広告の配信設定の後に実行されるFacebookによる広告の承認処理について考えてみましょう。

広告を設定した後、数時間は「承認待ち」というステータスになります。Facebookが許可した広告のみ配信されることになり、許可しなかった広告は「非承認」となります。

私も一度だけ、広告が非承認になったことがありました。Facebookページの広告の配信で、自分の写真を使ったものでしたが、許可されませんでした。おそらく、広告の内容、リンク先と画像が不一致としてみなされたのではないかと思います。

Facebookには、広告ガイドラインが用意されています。広告を配信する前に必ず目を通しておきましょう。例えば、広告のリンクとして指定された移動先のサイトで表示直後、または離脱前にポップアップを表示させてはいけない、といったことなどが制限事項とされています。

広告レポートのSKUとは

さて、新しい広告のインサイトになってから、1日あたりのクリック率などの数値がわかりにくくなってしまいまいた。マーケターの方などでこうしたデータが必要な場合は、レポートから確認しましょう。

レポートではとても詳しい情報が得られます。特に、表示時間別コンバージョンレートはレポートでしか見られないので参考になります。以下のような形でデータが出力されます。

広告のクリック、あるいは広告を見た後で、実際にコンバージョン(FBページのいいね/アプリインストール/イベント出欠返事)につながったかどうかがわかります。表示/クリックそれぞれ、直後から28日後までを追跡することができます。

この時に、表の中にSKUという表示があります。これは、Facebookページの場合であれば、それぞれ以下を示します。

like_page:Facebookページで「いいね!」をクリック

like_page_connect:Facebookの外から「いいね!」をクリック(LikeBoxなど)
like_page_inline:広告の「いいね!」からクリック

まとめ:Facebook広告の可能性

今回は、Facebook広告の表示条件が広告の価格だけではなく、広告の品質やCTRも影響するということを実例を元に紹介しました。今までの広告ではCTRは数値結果という意味合いが強いものでしたが、Facebook広告ではCTRを高い値で維持していかなくては表示回数が減ってしまい、表示回数が減ればCTRの上昇機会も失われるというスパイラルに陥ります。Facebook広告においては、ターゲットを正しく設定することの重要性が分かると思います。

Facebook広告は運用しながら、設定を変更することができるので、いろいろ試しながら最大の効果が得られる方法を検討してみるとよいでしょう。

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