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彼女が勧めたFacebookアプリ


なぜ彼女がそれを勧めるのか

Gmailの受信箱にFacebookからの通知が届いた。そのメールの差出人を見た瞬間「え。」という音が口からこぼれた。嬉しくもなく、嫌悪でもなく、単に来るわけがない人からメッセージが来たたことに「え。」と言っていた。 Facebookにアクセスしてみると、それはあるアプリケーションをお勧めする、というメッセージだった。 そのアプリケーションの名前は「Mysterious Spy with 20 Faces」。怪人スパイ二十面相というような意味だろうか。機能概要を見ると、自分のFacebookページのアクセスを解析するものらしい。 Facebookには、自分のFacebookのページの訪問者数や訪問したユーザー名のログを残す機能はデフォルトでは備わってはいない。それなのにどうしてこのアプリは取得できるのだろうか。 しかし、私が一番気になったのは、なぜ彼女が自分にそのアプリケーションを勧めるのか、ということであった。


私たちが犯したありがちな間違い

彼女は一時期とても仲の良い友人だった。しかし、私たちは思慮の浅い男女にありがちな間違いを犯した。いつものように二人で飲みに行った時のことだった。彼女には結婚を前提にしたボーイフレンドがいた。 もうこんなことは二度と起こらないようにしよう、と彼女は言った。私もそれに同意したけれど、私たちはこれまたありがちなことに再び同じ間違いを犯した。 私は彼女との新しい遊びにはまったのだと思う。彼女のことは友人としてはとても好きだったけれども、恋愛感情はまったく抱いていなかった。特に罪悪感もなく、私は彼女を求めた。 三回目に私が彼女を誘ったとき、彼女はひどく怒った。彼女のほうに伸ばした私の腕に噛みついてきさえした。そして、当分は二人きりではあわないようにしよう、と言った。私はそれを了承するほかなかった。そして私たちは「またね」と軽く手を振って別れた。それからもう一年が経つが、二人きりでも他の友人を交えてでも、私たちが会うことはなかった。 別に友人関係を解消したわけではないので、Facebook上では友達のままだ。たまに彼女がどうしているか気になって彼女のページを見に行くこともあった。彼女と同じタイミングでオンラインになったとき、チャットで話しかけてみようかな、と思うこともあったけれど、それはそれで面倒なので放っておいた。


彼女のまわりくどいメッセージ

なぜいまさらになってと思ったが、勧められたアプリを見ていくつかの考えが浮かんだ。 まずは「あなたが今でも私のページをちらちら見にきていることは知っているのよ!いいかげんにしてよ、このネットストーカー!」という彼女のメッセージだ。その可能性は否定できない。しかし、そんなに嫌ならばブロックするはずだし、私はそこまで頻繁に彼女のページを見ているわけではない。 そしてもうひとつは「なんだかんだで、あなたのことが気になっているの。たまにあなたのページを見ている私に気づいて」というまわりくどいメッセージだ。都合がいいのは百も承知であるが、ちらっとその可能性を考えたことは事実だ。


彼女との久々の会話

どちらの可能性なのか確かめるべく、私はそのアプリケーションのページへのリンクをクリックした。 ダウンロードしようとすると、最初にそのアプリのファンになる必要があった。使ってもいないアプリに「いいね!」などといわせるなんてひどい作り方だな、と思った。通常のアプリだったら、そこでやめているはずだったが、彼女のことが気になって「いいね!」を押してダウンロードした。 瞬間、「自分の友達に勧める」という画面がでてきた。キャンセルするまもなく、それは承認したことになった。「は!?」と声に出していた。 そして、ひっかかったなと思った。単純にスパムアプリにひっかかったのだった。通常は、こんな見え透いた罠にはひっかからないのに、あの彼女からのオススメ、という餌に釣られてしまったのだ。ウイルス感染などの悪さはしなかったのが幸いだ。 その時、彼女がオンラインになっていることに気づいた。思い切ってチャットで話しかけてみた。 「やぁ、久しぶり。元気にしてる?」 「まぁね。何?」 「君、ぼくに何かオススメアプリを教えてくれた?」 「は?何の話?」 彼女は気づいていないのだな、と思った。単に彼女のアドレスを偽装した形でオススメが送られてきただけかもしれない。 「いや、何でもないよ。気にしないでくれ。よい週末を。」 「は?何なの?」 「じゃあね」 私はチャットを切った。そして自分の友達に向けて、自分からアプリのオススメメッセージが送られてきても開かないでくれ、というメールを送った。 結局、私からその妙なアプリのメッセージを受け取った人はいなかった。そしてそのアプリは次の日には削除されていた。


感染経路第1位:Facebook

自分は比較的セキュリティには気をつけているほうだし、不用意なダウンロードも行わない。しかし、信頼している友人などをかたって送られてくるメッセージはついつい開けてしまうことがある。今回のように複雑な事情があればそれはなおさらだ。 ある統計データによれば、最近はソーシャルメディアを介したマルウェアやウイルスの感染が増えているらしい。アメリカではソーシャルメディアの中でも、Facebookによる感染がもっとも多い。Facebookは様々なアプリを載せられるだけではなく、ユーザーの人間関係を利用して広めることができるのが原因だろう。 私はため息をついて、パソコンを閉じた。

深谷歩
深谷歩

株式会社 深谷歩事務所 代表取締役 ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援として、サイト構築からコンテンツ企画、執筆・制作、広報活動サポートまで幅広く行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、インタビュー取材による導入事例作成、記事作成なども行う。 著書 『コストゼロでも効果が出る! LINE公式アカウント集客・販促ガイド』(翔泳社、共著)、 『自社のブランド力を上げる! オウンドメディア制作・運用ガイド』(翔泳社)、 『たった1日でも効果が出る! Facebook広告集客・販促ガイド』(翔泳社) 他多数

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