エクスペリエンス

友達とリスト

「思い切って30人くらい削除したよ。昨日の夜。」
彼女は唐突に言った。疑問符が張り付いた私の表情を見て彼女が言葉を継ぎ足した。
「Facebook(フェイスブック)の友達リストの話だよ。」

ああ、と私はうなずき、なぜ急に整理したのかを問う。

「うーんとね、昨日の夜、ものすごく暇だったんだよ。で、Facebookのプロフィールとか、写真とか、思い切ってメンテしようと思ったの。ログインしたら、20人くらいの友達がオンラインになっていたんだ。暇だし誰かとチャットしようかなと思って、誰がいるのかをよく見てみたらさ、その中の誰とも特にチャットで話したくなかったんだよね。」

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オンライン多重人格

分裂する私と統合するサービス

最近、TwitterとFacebookの連携、Twitterとmixiの連携、Facebookとmixiの連携など、異なるサービスプラットフォームが連携する機能を提供するようになった。あるサービスに投稿した情報が別のサービスに反映されるというものだ。一見、便利なように見えるが、私は絶対に使わないだろう。

ふと疑問に思う。他のみんなは、これまでもそれぞれのサービスで同じような内容の情報を手動でポストしていたんだろうか。というよりも、TwitterとFacebookとmixiで、同じキャラクターとして存在しているのだろうか。

TwitterとFacebookとmixiは、私にとってはすべてソーシャルメディアというくくりに入るものだけれども、それぞれのサービスの中にいる私は異なるソーシャルの中で異なるパーソナリティを持っている。

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ハイウェイスター

疾走する犬

「昨日さ、犬が高速道路を走っていたんだよ。」
レベッカが言った。日曜日の午後。私はレベッカに日本語を教え、レベッカは私に英語を教える。そういう約束で私たちは毎週会っていたけれど、この頃はどこかのカフェでお茶をしながら、単純におしゃべりを楽しむためだけに会っていたような気がする。

「なんで?犬が?一匹で?」
私はその状況を想像する。スラリとした黒い犬が、シアトルの街を背景に、アウディを軽々と追い越して疾走していく姿を。

「それがさー、すごい話なのよ。その犬は迷子犬でうろうろしているうちに高速に入っちゃったらしいんだけどさ、結局Twitterで飼い主が見つかったんだよ。」
私はびっくりして身を乗り出す。
「えーどういうこと?どうしてそうなったの?」

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