ソーシャルメディアサミット in 関西2012:イベントレポート

2012年8月3日、大阪・梅田にて「ソーシャルメディアサミット in 関西2012」が開催されました。

本記事ではそのイベントの模様をダイジェストでご報告し、これらを踏まえてこれからのソーシャルメディアについて考えてみます。

以下の動画は、開幕時に会場で流された日本におけるソーシャルメディアの概況です。日本には独自のサービスがたくさんあって、海外のサービスであっても日本オリジナルの使い方をされたいるケースも多く、ソーシャルメディアによって新しく文化が作られていくということがわかる動画になっています。

各プラットフォームの「今」と「展望」

  • モデレーター: 藤代裕之氏 (ジャーナリスト、NTTレゾナント(goo))
  • パネリスト : 田端 信太郎氏 (NHN japan株式会社 広告事業グループ 事業グループ長 執行役員)
  • パネリスト : 波多江 祐介氏 (株式会社ミクシィ パートナービジネス本部 ソリューション部 部長)
  • パネリスト : 葉村 真樹氏(Twitter Japan 株式会社 Head of Sales Strategy/営業戦略統括)

主要プラットフォーム三つ巴!これからどこに行くのか

mixi、Twitter、そしてLINE。日本国内ユーザーの多くが利用するこれらの3つのプラットフォーマがそれぞれの立場から現状とこれからについて語った。

利用者の細かなニーズに答えて、さらに国内ユーザーの利用増加を増やしていきたいmixi、そもそもソーシャルネットワークではないと言い切るTwitter、1年で急成長しごく限られた人間関係を基軸にするLINE。

それぞれ成り立ちもポリシーも異なるソーシャルメディアプラットフォームの今後の企業利用についても紹介した。mixiは友達関係の強さをテコにフィードでバイラルさせる広告を、TwitterはUIの目立つところにアカウントやツイートを表示させる広告サービスを、LINEは公式アカウントの設置、スタンプ登録、クーポン配布などを戦略としていることを説明した。

このセッションの詳細については、以下の記事にて、詳しく紹介しているので、ぜひそちらを参照してほしい。

LINE × Twitter × mixi、これまでとこれからの戦略

さて、一見すると、LINEの急成長ぶりと、スタンプやクーポンの効果の高さが他を圧倒するが、参入する企業アカウントが増えた時、どのくらい効果を維持できるのかは注目したい。Twitterはプロモ商品の販売のために、公式パートナー以外のサードパーティクライアントを制限するなど、これまでのTwitterエコシステムの逆をいくような戦略に出ているが、ユーザーの反応がどうなるかが気になる。mixiは、リアルな人間関係、オープンなプラットフォームに疲れた人たちを取り戻せれば勝機はあるかもしれないが、新興サービスにその層を持って行かれる可能性もある。

各プラットフォームの立ち位置や大切にしているものがわかり、濃いセッションであった。欲を言えば、セッションの中で、お互いに他社サービスとの違いや優位点などを言い合うような場面も見たかった。

ソーシャルリスニングで読み解く​ソーシャルメディアの法則

  • 講演企業: セールスフォース・ドットコム
  • 小関 貴志氏(コマーシャル営業本部 シニアディレクター)
  • 加藤 希尊氏(Salesforce Radian6 ブランド マネージャー)

ソーシャルメディアデータ解析をどう活用するか

CRMプラットフォームのSalesforce.comは、2012年に入ってからソーシャルメディアの解析サービスやプラットフォームを買収し、ソーシャルCRMの提供企業として大きく変化している。今回は買収したRadian6を使って、特定のテーマについてデータ分析し、それを元にどんな施策が考えられるのかを具体的に説明した。

「金環日食」「Facebook」「スギちゃん」という異なる視点から選ばれた3つのデータ解析事例については、以下の記事で詳しく紹介している。

ソーシャルリスニングで何が見えるか?

ソーシャルメディア上のデータ解析は、今後企業活動において重要になると考えられが、データを収集したあと、それをどう読み解くかという部分がもっと注目されるようになるだろう。

オウンドメディア化するアーンドメディア、ソーシャルメディアの未来

  • モデレーター: 安田英久氏(Web担当者Forum 編集長)
  • パネリスト : 安藤 聖泰氏(日本テレビ放送網株式会社 編成局メディアデザインセンター)
  • パネリスト : 揖斐 理佳子氏(ネスレ日本株式会社 デジタルメディア開発ユニット ユニットマネージャー)
  • パネリスト : 王 暁娟氏(大和ハウス工業株式会社 総合宣伝部デジタルメディア室)

Facebook、Pinterest、ソーシャルテレビの活用事例

Facebookページを介したユーザーとの直接のコミュニケーションを重視するダイワハウス、画像によるコミュニケーションの将来性に期待するネスレ日本、テレビにソーシャルを持ち込むことでこれまになかったようなテレビ体験を目指す日本テレビ。

それぞれが全く異なる目的、視点、プラットフォームを利用して、ソーシャルメディアを自社メディアのように活用する方法について語ってくれた。

このセッションの詳細については、以下の記事にて、詳しく紹介しているので、ぜひそちらを参照してほしい。

ソーシャルメディアが情報の発信基地に:Facebook、Pinterest、ソーシャルテレビ

ソーシャルメディアが重要な情報発信プラットフォームとして、自社メディア化することが今後も進んでいくだろう。ダイワハウスでは、ユーザーとのコミュニケーションの中で新しい企画が生まれたり、これまで伝えたくても伝えられなかったことをFacebookで伝えられるようになったエピソードは、ソーシャルメディアを活用するメリットとして評価できるようにしたい。

Facebookマーケティングのベストプラクティス

  • 講演者: レオン・メイ・ダニエル氏 (マインドフリー代表取締役)
  •  
  • ゲストスピーカー : 須田 伸氏(Facebook マーケティングマネージャー )

FacebookのベストプラクティスBCEI

Facebookの須田 伸氏より、FacebookマーケティングのベストプラクティスとしてBCEIという4つのステップが紹介された。4つのステップは以下のとおり。

  • Facebookページを作成する(Build)
  • 作成したページとブランドのファンをつなげる(広告配信)(Connect)
  • 質の高い投稿でファンと交流(Engage)
  • 交流をファンの先まで広げる(スポンサー広告)(Influence)

またFacebookページの運用にまつわる誤解として、以下の5つが紹介された。

誤解1:キラーコンテンツを作れば人がやってくる

真実:コンテンツだけではだめで、それをきっかけにしたコミュニケーションが大事。

誤解2:エッジのきいたテクノロジーが必須

真実:アプリでも、効果が高いのは、1、2回のクリックで終わるもの。シンプルにいこう。

誤解3:ソーシャル要素は後付け

真実:一番最初から、ソーシャルの要素を取り入れて設計する。

誤解4:広告なんだから人のメッセージを中断しないと

真実:Facebookでは、人々の会話によりそうようにメッセージを届けよう。

誤解5:従来の代替物

真実:キャンペーンが終わったらページも終了という考えでFacebookページを運用してしまうと効果が見込めない。

さらに5つの誤解をクリアした事例として、Best Westernホテルのキャンペーン事例を紹介した。

FacebookのROIとしては、Facebookページでの情報発信は確かに購買行動などに影響があるというデータを示し、外部のデータ(サイトへの流入、コンバージョンなど)を活用することで計測できるとした。

コミュニケーション設計からリスクマネジメントまで

続いて、マインドフリーのレオン・メイ・ダニエル氏 がFacebookにおけるベストプラクティスとして4つのポイントを紹介した。

  • コミュニケーション設計
  • ユーザーエクスペリエンス
  • ブランドエンゲージメント
  • リスクマネジメント

コミュニケーション設計は、Facebookを通してユーザーとどういう会話をし、どういう反応をしてほしいのか、どういう風に自分のことを語ってほしいのかを3つの軸にわけてシミュレーションすることだという。

ユーザーエクスペリエンスにおいては、ユーザーの行動パターンやユーザーの感情、体験を想定したリスト制作し、そこから組み合わせを作った上で、投稿を企画していくことという。

ブランドエンゲージメントにおいては、キャンペーンなどの施策を通してファンを盛り上げ、それをストックしていくような中長期的な運用施策を目指す。

リスクマネジメントでは、ガイドラインを整備すると同時に、従業員に対してセミナーやEラーニングを通して教育を行い、不用意な発言や情報漏えいを未然に防ぐ必要があるという。ソーシャルメディアを運用していれば、ネガティブな発言も発生するが、それをどうプラスに変えていくかということも含め考えていく必要がある。

ソリューションを活用したソーシャルメディアの課題解決!

    講演者 : 矢吹 岳史氏(トーチライト代表取締役CEO) 

トーチライトの矢吹 岳史氏は、複数のデータから企業のソーシャルメディア活用は、トラフィック増加やユーザーアクションの活性化などの観点から効果が高いことを説明した。それを踏まえて、自社メディアのソーシャル化の必要性を解いた。しかし、国内のサイトでは、ソーシャルボタンの導入程度に留まっている例が多いという。自社サイトのソーシャル化を妨げる要因として、プラットフォーム側の仕様変更に合わせたメンテンスが必要なことや、データ解析を行う人材のリソース不足、モバイルデバイス対応の煩雑さなどを課題としてあげた。

これらの課題をクリアした上でソーシャル化を進めるにあたって、複数プラットフォームのAPIを一元的に発行・管理してくれるツールである「gigya」(http://www.gigya.com/)を紹介した。gigyaを使えば、仕様変更に合わせた自社サイトの改修が不要なだけでなく、効果分析、さらにはゲーミフィケーション化まで対応できる。すでに600社以上の導入実績があり、あるサイトではソーシャルログインに対応したサイトを構築したところ、以下のような効果が見られたという。

  • ソーシャルログインによりユーザー登録の敷居が下がり、23%新規ユーザーが増加
  • ソーシャルログインしたユーザーは他のユーザーと比較して52%サイト滞在が長い
  • ソーシャルログインしたユーザーは他のユーザーと比較して179%PVが多い

国内の事例として、M・A・Cやメディアジーンの事例が紹介された。

ソーシャルシフトの先に~ 急加速するソーシャルシフト。世界最先端の事例に学ぶエッセンス~

    講演者 : 斉藤 徹氏(株式会社ループス・コミュニケーションズ)

最後の講演はループス・コミュニケーションズの 斉藤 徹氏だ。以前より講演されているソーシャルシフトの内容に加え、今回は社内の仕組みを厳しい「統制型」から「自律」化することで、従業員の能力を最大限に引き出す方法について語った。

IBMが世界的な組織のCEO1,700人にインタビュー調査を行ったレポートである「Leading Through Connections」のデータを紹介した。この調査では、業績のよいCEO、悪いCEOを分けて調査分析したところ、好業績のCEOほど、統制をやめて開放的な組織にしようとしていることがわかる。

こうした開放的な組織を作るには、ブランド哲学が重要で、それを社内で共有し、社員が価値観にそって自律的に行動することが鍵になると、Zapposの事例を元に紹介した。

今、世界的にワークスタイルの流れの変革おき、従来の主流だった手順を踏んで行う仕事から、創造的な仕事に比重が移っているという。

国内でも、地方のスーパーであるカスミが、社員の幸せのレベルをマズローの欲求のピラミッドに合わせて作成し、社員と会社のエンゲージメントを高めることで生産性を向上させることに成功した事例を紹介した。

まとめ:様々な視点から語られたソーシャルメディア

今回のイベントでは、サービスを提供する人、活用している人、サポートする人、解析する人など、様々な立場の視点からソーシャルメディアを語ることで、より将来的なソーシャルメディアの価値が見えたのではないかと思う。

情報発信とコミュニケーションが同時に求められる中で、顧客、パートナー、社員それぞれの間で信頼性を築いていく時代になった。

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