コンテンツマーケティングとは何か?:重要戦略とされる理由

先日、「NASAに学ぶコンテンツマーケティング:事例と3つのポイント」という記事を公開したところ、ソーシャルメディア上で、「これはマーケティングとして行われているわけではない。そもそもコンテンツマーケティングとは何なのか」といった趣旨の反応がありました。

そこで、今回はそもそもコンテンツマーケティングとは何かを改めて考え、その重要性をコカ・コーラのマーケティング戦略を通して整理するとともに、NASAの一連のソーシャルメディアを使った情報発信活動がマーケティングと言えるのかを考えてみます。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、Wikipediaの定義でいうと、以下のようになっています。

コンテンツマーケティングとは、現在および潜在的な顧客とエンゲージするためのコンテンツ制作、コンテンツ共有を伴うすべてのマーケテイング形態を内包する包括的な用語である。コンテンツマーケティングは、高品質で的確、かつ価値のある情報を顧客あるいは潜在顧客に提供することが利益を生む消費活動につながるという考え方に基づく。コンテンツマーケティングは、読者の注意を保ち、ブランドロイヤリティを高めることに利点がある。

また、コンテンツマーケティングのリーディングカンパニーであるContent Marketing Instituteでは、以下のように定義しています。

コンテンツマーケティングとは、利益につながる顧客アクションを目的として、明確に定義され理解されたターゲットを、魅了し、獲得し、エンゲージするために、適切かつ価値のあるコンテンツを制作し、配信するマーケティング手法のことである。

こうした定義を踏まえ、私はコンテンツマーケティングとは、顧客/見込み顧客にとって価値のある情報を伝え続ける顧客支援の活動を通して、顧客の興味・関心を惹き、理解してもらい、結果として売上につなげることだと考えています。現代において、情報を伝える努力をしない企業が生き残るのは非常に厳しいと考えています。

なお、コンテンツマーケティングの具体的な種類や方式について、顧客の購入までの意思決定プロセスにあわせて考えた以下の記事も参考になるでしょう。

顧客の「欲しい」を刺激するコンテンツマーケティング

以下はコンテンツマーケティング(content marketing)をGoogleトレンドで見たときの検索量です。2008年以降、増加し続けていることがわかります。

コンテンツマーケティングに注力するコカ・コーラ

コンテンツマーケティングの重要性は、コカ・コーラが昨年発表した広報戦略「Content 2020」からもうかがえます。

コカ・コーラのグローバル広告戦略のトップであるJonathan Mildenhall氏は、2011年10月の広告関連のイベントにて、以下のように述べています。

「すべての広告主は、生活者との関係が新鮮かつ適切であり続けるために、もっと多くのコンテンツが必要である。成功するためには、豊富で創造性豊かなアイデアをコアの部分に持っていないといけない」

参考:Creative content will fuel Coca Cola’s growth 

そして、コカ・コーラは「Content 2020」というコカ・コーラのマーケティングチーム向けに作成した動画をYouTubeに公開しています。「Content 2020」は、コンテンツの重要性を説明しているもので、前半と後半にわかれており、合計すると20分近い動画です。

イラストをボードに書きながら解説するという見せ方(制作は最近注目されているイギリスのアニメーション会社Cognitive Media によるもの)がおもしろいので、コンテンツマーケティングに興味のある方は一度見てみるとよいでしょう。ただし、説明のスピードや展開が早いのでついていくのが難しいかもしれません。

Content 2020の内容

動画のメッセージを整理すると以下のようになります。

・「広告クリエティブがすばらしい」から「コンテンツがすばらしい」に変わる必要がある

・会話を生みシェアされるためにコンテンツを通してブランドストーリーを語り、フィードバックを得る
・技術がコンテンツ配信方法を多様化させ、生活者はいつでも好きなときにコンテンツを見ることができるようになった
・あらゆるコネクションを通して、チャンネルに適したダイナミックなストーリーを届ける
・コンテンツを通して世界を良い方向に変える
・リキッドコンテンツ(広がりやすくコントロールできないコンテンツ)を用意することが重要
・コンテンツの7(ローリスク):2(革新的):1(ハイリスク)の法則
・フォーカスするリサーチの変更
・コカ・コーラはもはやテレビ広告ばかりに頼らない

コンテンツマーケティングが重要な理由

コカ・コーラのような生活者向けの企業に限らず、B2B企業でもコンテンツマーケティングは重要な戦略として位置づけられており、2012年の投資予算も増加する傾向があります。

参考「データから読み解く2012年のコンテンツマーケティング:国内の需要も増加するか?

品質の高いコンテンツを用意することは、以下のようなメリットがあります。

見せられるから見に来てもらうへ

従来の広告は費用をかけて、強制的に人に情報を見せ、より多くの人に気づいてもらうことが重要でした。しかし、コンテンツマーケティングでは、情報が必要な人に自ら見に来てもらうことができます。

コンテンツマーケティングのターゲット数を予測すると、従来のマスメディアを使った広告と比べて、単位が2つ3つ少ないターゲットにしか届けられないことにがっかりされることがあります。

しかし、本当に必要な人、興味を持っている人がそれくらいの数であり、従来は不必要な人にまで届けていたということが言えます。母数を増やしてその中から利益につながる顧客を吸い上げるという方法は、コストがかかりますし、効率が悪いため、考えを変化させる必要があります。

ソーシャルメディアによるシェア:拡散とフィードバック

発信したコンテンツが広まる理由は、そのコンテンツと接触したユーザーが自らソーシャルメディア上でシェアしてくれるからです。これによって、大手のメディアでなくても、コンテンツが広まりやすい状況ができました。

もちろんシェアされて拡散するだけではなく、そこから生まれた会話には多くのフィードバック、気づきがあります。こうした声を聞けることは大きなメリットであり、また得られた声を次のコンテンツマーケティングや企業活動に活かすことが重要です。

楽しませる、役に立つコンテンツでユーザーを支援する

人を集められるコンテンツというのは、製品やサービスをアピールする広告ではなく、役に立つ情報であったり、おもしろい情報です。

こうした情報を提供し続けることは、ユーザーを何らかの形で支援することでもあります。先に企業の方から情報を提供したり、コミュニケーションを通して支援することは、必ずしも短期的な売上にはつながらなくても、長期的な視点からのメリットが大きいでしょう。

例えば、コンテンツを通したユーザーの支援を通して業界そのものが盛り上がる、あるいは企業の認知度、信頼性が向上するといった効果が考えられ、結果として新規顧客の獲得や既存顧客のリピートの増加、市場の拡大といった効果が考えられます。

まとめ:NASAの活動はコンテンツマーケティングなのか?

さて、こうした情報を揃えて考えてみたときに、NASAのソーシャルメディアを通した活動はマーケティングだと言えるでしょうか。

NASAは、情報発信やコミュニケーションを通して、組織外部の関係者に宇宙を身近に感じさせ、NASAの活動への理解を深めているだけでなく、ユーザーとの会話を通して新たな気づきを得ています。こうした活動を通して理解者を増やし、関連施設への入場者の増加、さらには国家予算の獲得に成功しています。

よって、NASAの活動はコンテンツマーケティングそのものだということができます。

関連記事


この記事にコメントをどうぞ

Social Media Experience
記事提供
運営会社