Pinterest:企業の活用事例と利用の注意

お気に入りの画像や動画を自分のボードに貼り付けるサービス「Pinterest」が話題になっています。サービス紹介や人気の理由などを解説した記事が最近多く書かれ、読んだ方も多いでしょう。

さて、Pinterestをコンテンツマーケティングの観点から利用することはできるのでしょうか。今回は事例を紹介するとともに、Pinterestの利用の注意事項などもあわせてみてみましょう。

ギリシャヨーグルトのメーカーがPinterestをどう使っているか?

Chobaniはギリシャヨーグルトのメーカーです。以下の記事に、この小さなヨーグルトメーカーがPinterestでとった戦略、ユーザーのロイヤリティを高める取り組みが紹介されています。以下の記事の内容と、実際の運用からChobaniの活用事例をあわせて具体的にみてみましょう。

Chobani Yogurt Tickles The Tastes Of Pinterest Addicts, And So Can Your Brand

同社では、Webサイトの他、FacebookページTwitter、製品を使ったレシピサイトChobani Kitchenブログなどを運営しており、多角的にコンテンツマーケティングに取り組んでいます。

Pinterestに着目したそもそもの理由は、ヨーグルトのファンがヨーグルトを使ったレシピやアレンジをPinterestに載せていたことです。同社のコミュニケーションマネージャーがそれに気づき、Pinterest上でヨーグルトを使った料理の写真などを通して、生活者と会話をすることを決めたのです。

Chobaniは、現在19のボードを持っており、フォロワーは1140人ほどいます。

Chobaniは、Pinterestのユーザーの多くが、新しいことを知り、発見するためにPinterestを使っていると考えました。それは、Pinterestが新しいものに出会いやすいサービスであるからです。Chobaniも、Pinterest上で価値のあるコンテンツをシェアすることで、ユーザーの「発見したい」という目的をかなえることを目指しました。

ちなみに、ユーザーが新しいものを見つけるという利用方法は、Facebookでは難しく、またTwitter上での会話とも異なるものです。

プロダクトを超えたブランドのコアバリューを見せる

Pinterestは視覚を通して、製品そのものではなく、Chobaniの個性やブランドのコアバリューを伝えることもできます。

例えば、「Nothing but Good」というボードにはインスピレーションを受けるようなキャッチコピーや写真を、「Chobani Fit」にはモチベーションを上げるようなキャッチコピーや写真を集めています。

これらの言葉は、Twitterでもツイートしたものですが、Pinterestでは視覚的なインパクトがあるため、ユーザーがコンテンツをRepinする(自分のボードにコピーすること)ことが多く、自然な形でブランドが重視する価値観など、様々な側面を示すことができるのです。

ボードを分けてマイクロターゲットとのコミュニケーションを

Pinterestのよいところは、ユーザーの全ボードをまるごとフォローすることもできれば、特定のボードだけを選んでフォローすることもできることです。

よって、ボードごとにテーマを作れば、そのテーマに興味のある人達に情報を届けることができるのです。

We Make a Good Pair」では、ヨーグルトに合う食べ物を紹介し、「Let’s Travel」では、世界の都市の画像を載せています。

ボードは自由に作れるので、それぞれのボードに適したコンテンツを追加していきます。どのボードにも入らないものがあれば新しいボードを作ればよいのです。

メーカーにこだわらずにシェアする

Chobani は自社製品とそのビジネスに「自信がある」といいます。よって、他の製品のことを取り上げることは、「リスクではない」と考えました。

例えば、ユーザーのレシピに別のヨーグルトが材料として使われているのであっても、ヨーグルトの普遍的な話題であり、ユーザーがヨーグルトを使った料理に興味を持つきっかけになるので、そのレシピをシェアします。

顧客との関係を深めるために活用する

Chobani はFacebookとTwitterでは、コメント返しを丁寧に行なっていますが、Pinterestでコメント返すことはあまりないと言います。その代わり、LikeやRepinをします。ユーザーが望むことは、コメントよりもシェアされることと考えたからです。

Pinterestでの活動はすべて顧客との深い関係をつくるためのものです。PinterestでたくさんRepinされたレシピを社内のキッチンで試してみたり、世界の都市の写真のなかでたくさんRepinされた都市への旅行を今後のプレゼントキャンペーンの景品にすることもあり得るとしています。つまり、ユーザーによるRepinあるいはLikeを反応ととらえて、顧客とのコミュニケーション、次の製品やプロモーションを改善するために役立ているということです。

マーケティング利用の注意事項

上記のヨーグルトの会社であるChobani の事例を見てわかるコミュニケーションのポイントは、ユーザーがPinterestに集まるそもそもの目的からずれないようにコンテンツを用意し、その反応を見ていることです。

単純に製品のプロモーションではなく、ヨーグルトを使ったレシピやブランドを体現するキャッチフレーズなどを通して、ユーザーとのコミュニケーションをしています。これは、Pinterestの空気を乱さないための最低限のルールです。

ここで、ブランドがPinterestを使うときの注意点を整理しておきましょう。Pinterestの利用上の注意は、Pin Etiquetteに書いてあります。

1.ナイスでいよう

Pinterestの会話は相手を敬うことを基本に。

2.ソースを明示しよう

オリジナルソースへのリンクをすることでより有用なものになる。二次ソース(Google画像検索やブログのエントリー)ではなく、オリジナルソースを見つけるようにしよう。

3.セルフプロモーションに走らない

Pinterestは自分の好きなモノを選んで分かつためにある。誇れるものがあるなら、ピンしよう。でも、セルフプロモーションだけのツールとしては使わないようにしよう。

4.違反コンテンツは報告

裸の写真や不快な画像はだめ。違反コンテンツ、あるいは利用規約に反するものがあれば、「Report Content」で報告を。

5.よくするための方法を教えてね

意見やバグ、不明点などがあれば報告を。

画像などの利用においては、著作権が気になるのですが、サイトの方針としてはオリジナルソースを明示すればよいということになっています。

なお、利用規約において、サービスの運営元であるCold Brew Labsは違反コンテンツを削除できるとあります。

価格が入るものはギフトに

画像の説明に$または£の後に数値を入れると、画像に価格が表示されます。また、メニューの「Gift」に価格帯によって表示されるようになります。

Etsyなどは、売っている商品の一部を表示させています。また、個人でハンドメイドのものなどを作っている場合、Pinterestでファンを増やすということもできそうです。

Webサイトとの連携

外部のWebサイトとPinterestを連携させることができます。“Pin It” Button for Websitesからボタンのコードを出力することができるようになっています。

フォロー用ボタンの例

Follow Me on Pinterest

コンテンツのPinボタンの例

Pin It

今後、Pinボタンをつけるショップやアーティストが増えそうです。

メディアも使っている

MashableThe Wall Street JournalなどのメディアもPinterestを利用しています。カテゴリごとに、記事の画像をPinすることで、おすすめ記事の紹介に使っています。

画像から記事を探すというのも楽しい試みです。私も試してみました

まとめ:見て楽しい、集めて楽しいをくずさないこと

ヨーグルトの会社であるChobani の活用事例を元に、企業が利用する場合のポイントを整理してみました。

現在のところ、まだユーザー数も少ないので、問題なく運営されており、過度なプロモーションを行う企業もありません。しかし、今後企業利用が増えるに連れて、プロモーション要素の強いコンテンツが増える可能性もあります。ただ、ソーシャルメディアにおいては、売りたいという意思があからさまに見えてしまうような企業は、ユーザーに嫌がられる傾向にあります。

ユーザーがPinterestに集まる理由、楽しんでいるポイントを理解し、一緒に楽しみながらコンテンツを作っていく企業が人気になるでしょう。

Facebookでも、小さな企業でもセンスの光る製品を持ち、上手なメッセージを発することで、ユーザーの「好き」「お気に入り」の気持ちを育み、結果として購買意欲を刺激している事例がいくつもあります。

愛されるコンテンツを配信できそうであれば、積極的にPinterestに取り組んでみるのもよいでしょう。

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