2012年、ソーシャルメディアの3つの予測

2011年は、個人利用においても、企業利用においても、ソーシャルメディアの活用が一気に進んだ年でした。mixi、Twitter、Facebookといった以前から利用されていたソーシャルメディアに加え、Google+という新しいサービスも増えました。

個人利用においては、3月11日の東日本大震災をきっかけに、非常時の連絡や友達や知り合いの安否確認で利用する人が増えました。また、原発事故に関連した情報が錯綜する中で、自分なりの情報収集をソーシャルメディアを活用して行う人も増えました(参考:災害発生直後のツイート分析)。

企業が活用できるソーシャルメディアは、以前から利用できたFacebookページに加え、Twitterブランドページ、Google+ページ、mixiページと一気に選択肢が増えました。プロフェッショナルネットワークを構築できるLinkedInも日本語化され、LinkedIn内の企業用ページである会社ページを登録する企業も増えています。

さらに、こうしたソーシャルメディアをプラットフォームとして利用できるアプリもたくさん登場しています。

2012年も、ソーシャルメディアは引き続き注目を集めるだけでなく、コミュニケーションインフラとして、さらに強力になっていくでしょう。

今回は、2012年のソーシャルメディアの動向を予測をしてみたいと思います。

位置情報を使ったサービスが進化する

2011年は、ソーシャルメディアとモバイルの組み合わせによるサービスが大変充実した1年でした。

2012年もこの傾向は続くでしょう。特に、位置情報を使ったサービスが活性化すると考えられます。

特定の場所付近に行くとクーポンを発行したり、セール情報をプッシュするサービスは、すでにいくつも存在しますが、2012年はこうした情報に加え、個人の嗜好や人間関係を加味してよりパーソナライズされた情報を届けることができるようになります。

例えば、自分が街を歩いているときに、以下のようなメッセージが表示されます。

「150メートル先に、あなたが好きそうな居酒屋があります。日本酒の種類が豊富で有機野菜を使ったおつまみが評判です。このメッセージが配信されてから、30分以内に来店すると、生ビール一杯無料です。」

「友達の○○さんの誕生日は1週間後です。200メートル先に○○さんのお気に入りの雑貨店があります。このメッセージのクーポンを使うと、3%オフになります。」

どちらの例も、パーソナライズされていますし、リアルタイム性も活かしたメッセージです。

ただし、このサービスの精度を向上させるためには、自分の趣味や関心、友達との人間関係がきちんと登録されていなければなりませんし、適切なリコメンドができるように解析できないといけません。

よって、独立したサービスとして生まれるよりも、Facebookあるいはmixiなど、既存のソーシャルプラットフォームと連携したサービスとして登場すると、相当な価値を生むはずです。

意識的なシェアと無意識のシェアの融合

2011年、FacebookはOpen Graph Beta(オープングラフベータ)をリリースしました。Open Graph Betaを使ったアプリは、Facebookアカウントでログインすると、そのアプリの利用情報をそのままFacebookにフィードすることができます。

具体的にSocial Cafeというサンプルアプリの動作をみてみましょう。

Facebookアカウントでログインして、画面からCafe Latteを選ぶと、自分のタイムラインにアクティビティとして、「Cafe Latteを飲みました」というように表示されます。

これは、アプリを設計するときに、Open Graph BetaでAction(飲む)とObject(Cafe Latte)を定義しているからです。

実際のアプリとしては、The Guardianなどがあります。このアプリで、記事を読むと、記事のタイトルとリンクがタイムラインに記録されるようになります。

つまり、Open Graph Betaは、ユーザーが一度許可したアプリについては、その後自動的に利用するたびに、アクションが記録され、公開範囲にしたがって情報がシェアされることになります。

2011年、あふれる情報の中から、自分の価値基準で情報を選別して、友達やフォロワーに共有する「キュレーション」という行為が認知されました。

キュレーションは意識的な情報の共有ですが、キュレーションは2012年も引き続き活性化し、また価値ある情報をシェアできる人は信頼を集めるでしょう。

それと同時に、Open Graph Betaによる無意識の情報共有が新しいデータとして価値を持つでしょう。ただし、前述したように、「無意識」とはいっても、本人が知らないままに共有してしまうわけではなく、本人の同意を前提とした共有です。プライバシーの問題で、共有したくない人は、共有しないようにすることもできます。

さて、アプリを介した行動が共有されることによって、何が可能になるでしょうか。こうしたアプリが増えれば、ユーザーの行動が可視化され、データとして解析できるようになります。そして、解析した結果として、行動パターンに基づいたリコメンドを提示したり、新しいサービスを提供することができるようになるでしょう。

2012年は、キュレーションを含む意識的な共有と、Open Graph Betaを使った無意識の共有という大量のデータを解析するサービスが生まれそうです。

コンテンツマーケティングがさらに重要に

企業にとってソーシャルメディアの活用が注目された2011年ですが、それと同時に「Facebookページを作ったが、どういうコンテンツを提供していけばいいのか?」「ユーザーがシェアしてくれるようなコンテンツはどうやって作るのか?」といった課題も出てきています。

2012年は、シェアされる価値のあるコンテンツ、ユーザーに楽しんでもらえるコンテンツが求められるようになり、企業の取り組みも本格化するでしょう。

実際に、ブログを使ったコンテンツマーケティングに取り組む企業も増えています。2012年もこの傾向は加速するでしょう。無料で、長く読み応えのある記事の存在感が増し、企業の専門性や従業員のブランディングとしても活用する事例が増えるはずです。

データから読み解く2012年のコンテンツマーケティング:国内の需要も増加するか?」でも紹介していますが、コンテンツマーケティングへの投資も増え、内部のリソースだけでなく、コンテンツ制作や管理などにアウトソーシングする企業も増えます。

また2012年は動画の活用も注目が集まりそうです。都内にはUstream向けに低価格で利用できる本格的なスタジオが増えています。また、Google+に用意されているオンライン動画チャットHangOutは、公開と録画ができるHangouts On Airというサービスを開始しています。視聴者が参加したり、YouTubeに公開するようにもできるので、公開ディスカッションなどの使い方ができそうです。

まとめ

さて、2012年の予測をしてみましたが、いかがでしょうか。

とりあげたいずれの3つもソーシャルメディア上に登録されたデータを分析したり、ソーシャルメディア上でシェアされることを前提としたトレンドです。2011年にソーシャルメディアの日常利用が普及したおかげで、ソーシャルメディアが新しい価値を産み始めるはずです。

Social Media Experienceでは、2012年もソーシャルメディアを中心とした情報発信を行っていく予定です。

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