データから読み解く2012年のコンテンツマーケティング:国内の需要も増加するか?

米国のコンテンツマーケティング会社であるContent Marketing InstituteとMarketingProfsが共同で、コンテンツマーケティングの調査レポートを発表しました。

B2B Content Marketing: 2012 Benchmarks, Budgets and Trends

この調査レポートでは、企業規模の異なる様々な業界のB2B企業のマーケター1,092人を対象にし、2011年のコンテンツマーケティングの実際や2012年の予算配分などについて調査を行っています。

米国のコンテンツマーケティングの現状がよくわかり、ソーシャルメディアの企業活用が根付きつつある日本国内の2012年の取り組みを考える上でも参考になるデータです。

今回は、このデータを紹介しつつ、2012年、国内のコンテンツマーケティングの展望を考えていきます。

そもそもコンテンツマーケティングとは何か

さて、最初にコンテンツマーケティングとは何か、ということをおさらいしておきましょう。

コンテンツマーケティングとは、ブログ、動画、記事、ソーシャルメディアなどあらゆる種類のコンテンツを活用して、企業マーケティングに役立てる手法です。

従来の広告では、人の注意をひくために企業から訴えかける方式が主流でした。具体的には、テレビ広告、街頭広告、テレマーケティング、ダイレクトメール、オンライン広告などが当たります。こうした手法は、アウトバウンドマーケティング、あるいはインタラプト広告などと呼ばれますが、情報が氾濫する中、生活者に対しダイレクトにプッシュするような広告は嫌がられたり、効果がかつてより薄くなってきました。

コンテンツマーケティングは、コンテンツを用意しておいて、生活者のほうからアクセスしてもらう方法です。用意しておいたコンテンツに対して、生活者が自らの意思できてくれるという流れになるので、インバウンドマーケティングとも呼ばれます。

特にB2B企業など、幅広く多くの人に訴えるよりも、情報が必要な人にピンポイントで伝えたい場合、効果的です。

当ブログでも、コンテンツマーケティングについては、度々取り上げています。国内でも、コンサルタント企業や医療、会計などの専門職などにおいて、ブログを使ったコンテンツマーケティングに積極的に取り組んでいる事例が増えています。

採用しているコンテンツマーケティングは何か

2011年、取り組んでいるコンテンツマーケティングでは、記事が79%、次いでソーシャルメディアが74%、ブログが65%です。

特筆すべきは、ブログ(27%増)、ホワイトペーパー(19%)、動画(27%増)が昨年の調査よりも取り組む企業が増えたことです。なお、企業規模が大きいほど、多様なコンテンツを用意しています。具体的には、従業員1000人以上の大規模企業が平均9つのコンテンツに取り組んでいるのに対し、従業員10人未満の場合は6つにとどまっています。

なお、コンテンツマーケティングに取り組んでいる上位の業界は、プロフェッショナルサービス(94%)、コンピュータ/ソフトウェア(93%)、広告/マーケティング(89%)となっています。こうした業界の専門知識は、コンテンツマーケティングと親和性が高いことがうかがえます。

ところで、グラフを見ると、記事(article)とブログが分けられています。しかし記事とブログの、明確な定義というのはありません。人によっては、記事の場合は一定の長さや事実やデータに基づいて書かれていること、あるいは特定のグループによって正確性が担保されていることなどが条件になるという人もいます。ブログの場合は、長さに関わらず、自分の主観や感想に基づいているものという人もいます。

ソーシャルメディアではLinkedInも主要チャンネル

さらに、ソーシャルメディアの利用チャンネルの調査では、Twitter(74%)、LinkedIn(71%)、Facebook(70%)でした。それぞれ70%台前半ですので、いずれも等しく利用されています。

ちなみに、LinkedInには、会社ページと呼ばれる企業が使えるページが用意されいます。会社ページでは、会社情報に加え、製品、プロダクト情報の登録、従業員の声などを掲載できるほか、YouTubeなどとも連携させることができます。また、会社ページからステータスアップデートを投稿する機能が新しく追加されたことにより、ブランディングとしての価値が高まっていることがこの数字から伺えます。

LinkedInについては、日本語化されたとはいっても国内ユーザーはまだまだ少ないため、日本国内では、コンテンツマーケティングの手法としては弱いと感じます。

オープンされたばかりのGoogle+ページは13%です。また、Twitterはトップのツールとなっていますが、もちろん、この調査は12月に発表されたTwitterのブランドページが展開する前に行われています。ブランドページがない時期にすでにトップに位置していることを考えると、2012年はTwitterのブランドページがどう化けるかが注目されます。

日本国内では、mixiも企業、ブランド用のmixiページを8月に公開しました。オープンして4ヶ月程になりますが、長年C向けのプラットフォームとして運営されてきたこともあり、B2B企業がコンテンツマーケティングの対象として選ぶにはまだ時期尚早かもしれません。

2012年、日本国内のB2B企業が取り組むべきソーシャルメディアプラットフォームとしては、Facebook、Twitter、Google+になるのではないでしょうか。

コンテンツマーケティングのゴール

さて、コンテンツマーケティングと一言でいっても、最終的なゴール設定は、企業によって異なります。コンテンツマーケティングのゴール設定の調査では、以下のようになっています。

ブランドの認知と顧客獲得がそれぞれ68%で最も多く、次いでリード情報獲得(66%)、顧客ロイヤリティ(61%)となっています。

注目するべきが「ソートリーダー」(55%)です。ソートリーダーとは、特定の分野でのオピニオンリーダーであったり、業界の方向性に影響するような立場のことを指します。

まだ情報が少ないサービスや考え方を広めたいという企業にとって、コンテンツマーケティングはぴったりの手法です。コンテンツを通じて、その分野の専門的かつ革新的なアイデアを広めることができる上、コンテンツによって、他の人からの信頼を得られれば、その分野の第一人者として業界をひっぱることができるからです。

新しい考え方に基づくサービスなので日本ではなじまない、と悩んでいるのであれば、ぜひコンテンツマーケティングに取り組んでみてください。

コンテンツマーケティングの評価

効果測定については、以下のような手法を用いてい増す。

トラフィック(58%)、リード情報の質(49%)、売上(41%)となっています。売上は昨年よりも下がりましたが、SEOを効果測定とすると回答した人は12%増加して40%となりました。

予算の割り当て

コンテンツマーケティングの予算については、60%が2012年は増加すると回答しています。なお、マーケティング予算のうち、平均すると26%がコンテンツマーケティングに割り当てられるということです。

ちなみに、規模の小さい企業ほどコンテンツマーケティングへの予算割り当ては大きく、平均で34%となっています。

コンテンツマーケティングのアウトソーシング

コンテンツマーケティングの予算が増えたと同時にアウトソーシングを利用する企業も55%(2011年)から62%(2012年)に増加しています。アウトソーシング先は、コンサルタントや代理店です。コンサルの利用は2011年が27%だったのが32%に増加しています。

しかし、すべておまかせという企業は4%にとどまり、内製とアウトソーシングの両方と回答した企業が58%、内製のみは38%でした。

自分の経験から言えば、コンテンツマーケティングを社内のみで実践するのは、コンテンツの品質管理や全体計画などにおいて、失敗しやすいという側面があります。

一方で、すべてアウトソーシングしてしまうと、コンテンツの魅力がなくなります。アウトソーシングをして、見た目がきれいで、見せ方が凝っているコンテンツを作っても、その企業らしさが消えてしまっては意味がありません。プロほどの洗練さはなくても、その企業の専門性や主張があらわれていて、そこでしか得られないコンテンツを用意することが、コンテンツマーケティングの成功の秘訣といえます。

コンテンツマーケティングの苦労

コンテンツマーケティングの実施にあたって最も苦労するところは、「見込み顧客や顧客をエンゲージするコンテンツ制作」が41%で最も多くなっています。次いで「十分なコンテンツを制作すること」が20%となっており、やはり制作がもっとも大変であることがわかります。

その他の悩みとしては「自社の専門性をコンテンツマーケティングに活かすということの理解が得られない」「ネタはあるのに作成の時間がない」「維持が大変」などがあげられています。

コンテンツの品質維持や時間管理などは、実際にブログマーケティングを実践している企業に共通する課題であり、こうした課題を解決するサポートなどが、国内でも需要を増すと考えられます。

まとめ:2012年はより個性的なコンテンツが増える

2011年は、日本国内ではソーシャルメディアをどう活用するかに注目が集まりました。2012年は、さらに一歩進んで、マーケティングの一環として、オリジナルのコンテンツをどうやって制作し、どうやってターゲットとする読者に届けるかが議論される年になると予測しています。特にB2Bではこの傾向は強まります。

ソーシャルメディアはコンテンツマーケティングの一環であり、その他のコンテンツを共有するためのツールとして、引き続き重要な位置を占めるでしょう。

お知らせ
深谷歩事務所では、企業のコンテンツマーケティング支援として、サイト構築(技術支援)、コンテンツ企画、編集/リライト、ライティング、取材、評価検証などを承っております。ご興味のある方は、お問い合わせからご連絡ください。

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