1年でソーシャルメディアを取り巻く環境はどう変化したか

昨年の10月にSocial Media Experienceをオープンしてから、1年が経ちました。1年の間にソーシャルメディアを取り巻く環境は大きく変化し、利用者の意識も変わってきました。

今回は、1年でソーシャルメディアがどう変化したかを振り返ってみましょう。

ソーシャルメディアの広がり:Facebookユーザー訪問者数は1年で5.6倍に

2010年と2011年で、Twitter、Facebookがどれだけ浸透したか、数字でみてみましょう。

2010年8月のソーシャルメディアアクティブユーザー訪問者数は、以下の通りです。

サービス名 ユーザー訪問者数
mixi 963万人
Twitter 1006万人
Facebook 192万人

2011年8月のソーシャルメディアアクティブユーザー訪問者数は、以下の通りです。

サービス名 ユーザー訪問者数
mixi 1491万人
Twitter 1496万人
Facebook 1082万人

ユーザー数の増加でみると、mixiが1.5倍、Twitterが1.4倍、Facebookは5.6倍になっています。Facebookの今年の利用者訪問者数は、昨年のmixi、Twitterよりも多いということになります。

少しTwitterの伸びが低いように思えますが、これはサードパーティ製のTwitterクライアントの利用者数(Twitterユーザーの全体の約20%)が含まれないためで、実際にはもう少し多くなります。

この数字はPCユーザーを対象としておりモバイルユーザーが含まれていません。mixiはモバイルユーザーが600万人いるので、その数字を考慮すると堅調にユーザー数が増加しているといえるでしょう。なお、mixiは8月末にmixiページを発表し話題になりました。10代、20代のユーザー数が多いmixiが企業向けのサービスを投入することで、今後mixiの存在感が強まる可能性があります。

なお、数字はIn the looopの「Twitterがついに1000万人超え。2010年8月度最新ニールセン調査」及び「mixi, Twitter, Facebook, Google+ 2011年8月最新ニールセン調査」を参考にしました。

Facebookの進化は止まらない

2010年から2011年にかけて、さまざまな話題をさらったのがFacebookです。2011年始めに公開された映画「ソーシャルネットワーク」で、一気に国内の知名度が上がりましたし、テレビや雑誌などでもたくさん取り上げられました。

Facebookは、個人の利用だけにとどまらず、企業利用にも適しており、特に2011年に入ってからは多くの企業がFacebookページを開設し、マーケティングツールとしても注目を集めました。

着実にユーザー数を拡大する一方で、頻繁な機能追加や仕様変更は、ユーザーをとまどわせることもありました。常にどこかが変わっているという印象のFacebookですが、大きな変化としては以下のようなものがありました。

時期 変更
2010年10月 グループ機能の大幅改訂
2011年2月 Facebookページの仕様改訂(FBMLからiFrameへ)
広告サービス「スポンサー記事」開始
2011年4月 ドメインインサイト機能強化
2011年9月 プライバシー設定がより詳細に
個人プロフィールページにタイムライン導入

この他にも、プロフィールページやFacebookページ関連の細かい変更、Facebookスポット(現在は近況アップデートと統合で事実上廃止)、Facebookクーポン(米国版Dealsは停止)などの実験的なサービスの投入や停止など、状況はめまぐるしく変わっています。

2011年10月は、すべてのアプリにSSL対応が要求される他、11月以降もアプリ関係の要件が変更されることがロードマップとして公開されているため、アプリ開発者は特に注意しておきましょう。

mixi、Google+、LinkedIn・・・など他のサービスも進化

1年間でFacebook以外にも、様々なサービスが登場したり、進化しています。

mixiがしかけるタウン構想

国産のソーシャルネットワークサービスであるmixiは、2011年8月にmixiページを発表し、3日間で8万件のmixiページ開設を達成しました。

ただし、本格的な運用にまでいたっているページはまだ限られている他、肖像権や著作権の観点から問題のあるページも多いのが実情です。今後、企業利用を推進していくにあたっては、こうした問題をクリアしなければならいでしょう。また、活用できるアプリの充実なども期待されます。

mixiはmixiポイントを活用したmixiペイメントプログラムや、ソーシャルコマースを実現するmixi決済などの展開も正式に発表しているので、こうしたサービスが実装された場合には、ビジネス利用が本格化するでしょう。

Google+もビジネスページを用意

Googleが提供するソーシャルネットワークサービスGoogle+は、2011年7月に招待制でオープンし、大いに話題になりました。2011年9月に一般公開され、ここでまたユーザー数を増やしています。

サークルという機能を使うことで、ユーザーは相手によって適切な情報を簡単に発信することができます。また、2011年3月にリリースした+1ボタンからもGoogle+に投稿できるようになり、使い勝手も向上しています。

Google+には、複数人で利用できるビデオチャットルームが用意されています。9月のバージョンアップで、スケッチブックやGoogleドキュメント、画面を共有する機能が追加され、リモートでの会議や打合せに適した機能となりました。

なお、Google+もビジネスページの機能を提供することを発表しています。今は個人利用だけですが、ビジネスページが作れるようになれば、Facebookやmixiの強敵になります。企業はどれが一番ターゲットユーザーとコミュニケーションができるのかを考えながら、戦略的に投資をしていく必要があります。

しかも、Google+でのシェア数や+1ボタンの数が検索結果に影響するようになってきました。今後は、Google+でのリンクシェアや、Webサイトへの+1ボタンの設置がSEO対策において重要になるでしょう。

LinkedIn日本語化は年内を予定

もう一つ見逃せないサービスとして、プロフェッショナルネットワークであるLinkedInがあります。自分の経歴やスキルなどを登録するサービスで、海外では転職やヘッドハンティングのための重要なツールです。

2011年3月にユーザー数が1億人を突破したことを発表し、5月には株式上場を果たしました。LinkedInでは、個人のページだけでなく、カンパニーページと呼ばれる企業用のページを用意することもできます。カンパニーページは企業や製品の情報を掲載したり、カンパニーページ内で採用募集(有料)をかけることもできます。海外では、採用だけでなく、ビジネスパートナー探しにも利用されています。

今年5月にデジタルガレージと提携し、年内に日本語版をオープンする予定を発表しました。これまでは、英語のインタフェースだけだったので、日本人の利用率が伸びませんでしたが、多言語化することでさらにユーザーを伸ばしそうです。

LinkedInの強みの一つに、地域や言語に加え、業種や職種、職位をターゲットとした広告配信ができることが上げられます。例えば、職種が「経理」で職位が「部長」以上のユーザーに「経理データを経営に直結させるERPパッケージ」というような広告文をつけてERPシステムの広告を配信するということが可能です。「業種」「職種」「職位」を絞った広告配信は需要が高いので、日本人ユーザーが増え、さらに日本語での配信ができるようになると、広告業界に大きな影響を与えるのではないでしょうか(現在は広告の文章は英語のみ)。

10月現在はまだ日本語化していませんが、年内という発表なので非常に楽しみです。

スマートフォンの普及が生活ログのアップを後押し

ソーシャルメディアの利用を考える上で外せないのがスマートフォンの普及です。

コムスコアジャパンの調査では、2011年3月時点のAndroid端末利用者が460万人、iOSの利用者が390万人となっており、スマートフォン全体では976万となっています。調査から半年が過ぎた現在では、スマートフォンユーザー数の総計は1,000万人を超えているとしています(参考:国内スマートフォンシェア、AndroidがiOS抜く 市場は1000万人規模に)。

10月にはiPhone5の発売も予定されており、これでさらにスマートフォンユーザーが増えることが予想されます。

インターネット白書2011によれば、SNS、Twitter、SNS上のアプリをモバイル機器から利用すると答えた人は、以下の通りです。

サービス スマートフォンから利用する割合
SNS 25.0%
Twitter 29.1%
SNS上のアプリ 38.2%

ソーシャルメディアを使って通勤時間などの移動時間に情報収集したり、自分の近況を投稿する人が今後さらに増えていくことが予想され、ソーシャルメディアが生活の一部を記録するツールとして、ますます重要になるでしょう。

有事の時のTwitterとFacebook

2011年3月には、東北関東大震災が発生し、ソーシャルメディアが有事の場合の情報伝達手段として、注目されました。その反面、デマの拡散などもあり、情報発信ツール、情報受信ツールとして、個人がどのように利用していくべきかを考えるきっかけにもなりました。

Social Media Experienceでは、震災直後のTwitterについて分析ツールを利用して解析を行いました。その結果、平常時と比較して、人々の心理が不安定になり、ポジティブな感情よりもネガティブな感情が一時的に大きく上まわっただけでなく、特定の情報が人々の心理に大きく影響することがわかりました。

データ:Social Media Experienceの1年の軌跡

さて、最後にSocial Media Experienceの1年間の記録をまとめます。

ページビューの推移

Facebookページのいいね!の推移

いいね!ベスト3

「いいね!」の数 記事タイトル
1万 25人集めなくてもFacebookページURLが変更可能に!
4000 やっちゃっていませんか?Facebookの規約違反
4000 新しくなったFacebookの使い方を整理する

振り返ってみると、2010年から2011年にかけて、国内においてのソーシャルメディア事情は大きく変化しました。個人の利用が普及しただけでなく、企業のソーシャルメディア活用事例も増え、ビジネス戦略においてもかかせないものになっています。この変化の中ででSocial Media Experienceのアクセス数やFacebookページの「いいね!」も着実に増えてきました。

また、ソーシャルメディアを扱ったサイトやブログも増え、多くの情報に触れることができるようになりました。そうした中で、Social Media Experienceは、このサイトでしか得られない情報の提供を目指して、今後も頑張っていこうと思います。
一年後のソーシャルメディアを取り巻く環境がどうなっているのか、楽しみです。

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