顧客の「欲しい」を刺激するコンテンツマーケティング

インターネット白書2011の調査データによれば、ソーシャルメディアを利用する人の18%が「仕事や勉強に関する情報収集」を、16%が「商品やサービスに関する情報収集」を目的に利用しているという。ソーシャルメディアの性質を考えると、友達や著名人、あるいは企業がソーシャルメディアでシェアした情報が、商品購入やサービス導入をする上での判断材料のひとつになっていると考えられる。

このことから、いかにソーシャルメディア上でシェアされやすく、記憶に残りやすいコンテンツを配信していくかが、企業にとって重要なマーケティング戦略になるといえる。

今回は、顧客の「欲しい」という潜在的な欲求を形にするためのコンテンツマーケティングについて考えてみたい。

コンテンツが最初の営業マンになる

人々がソーシャルメディア上でシェアされた情報を追うようになったということは、これまでとは異なる経路からの情報収集をするようになったということである。

従来は、企業がモノあるいはサービスを売る時、営業マンが顧客のところに直接説明に行くことが重要であった。

ただし、営業マンが売り込みに行ける企業は、すでに製品やサービスに対する要求が形になっているところに限られる。顧客がサービスを提供している企業に資料請求や問い合わせをすること(=リード情報の提供)で、初めて売り手は潜在顧客が誰かを知り、具体的なアプローチに移ることができる。

しかし、人が自分から情報を積極的に収集する時代では、購入プロセスの早い段階から潜在的な顧客にアプローチすることができる。例えば課題と問題の解決をコンテンツで提示することで、顧客にその必要性に気づいてもらうという認知のフェーズから関われるようになる。もちろん、認知された以降もあらゆる購入フェーズでコンテンツは検討材料になる。

なお、コンテンツとは、Webサイトやブログなどだけにとどまらず、以下のようなものをすべて含んでいる。

オンラインコミュニケーション系

・ブログ
・Twitter
・Facebook
・メルマガ

Webサイトコンテンツ系

・動画や音声
・プレゼンテーション
・商品案内
・事例紹介

ダウンロード資料系

・書籍/電子書籍(PDFなどで配布)
・マニュアル
・カタログ
・ホワイトペーパー(製品情報、技術資料)

広告系

・オンライン広告
・ソーシャルメディア上の広告

オフライン系

・デモンストレーション
・展示会、イベント

企業の購入プロセスを考える

企業や購入する製品・サービスによって、購入プロセス、購入の意思決定に関わる人は異なる。大企業であるほど、購入プロセスは複雑化する傾向にある。例えば、製品・サービスを実際に利用する人、購入の稟議を出す人、購入の検討をする人、購入の承認をする人、最終的に購入処理する人など、それぞれが異なる視点から購入する対象について評価し、その上で最終的な購入にいたるケースが多い。

コンテンツマーケティングにおいては、購入プロセス、購入決定までに関与する人(役職)を想定し、それぞれに適したコンテンツを複合的に用意しなければならない。プロセスや購入に関わる人は業界や売るモノ・サービスの価格によって異なるために、自社の場合をシミュレーションして検討する。

例えば、以下のように整理できるだろう。

・啓蒙的なコンテンツ

考え方や方法論などを解説したブログのコンテンツ、プレゼンテーション、書籍などは、購入プロセスにおける早い段階での認知度の向上に利用できる。実際にサービスを利用する人、購入の検討をする人に届くようにしなければいけない。

・事例集、ホワイトペーパー

導入事例や具体的な製品の特徴をまとめたホワイトペーパーなどは、購入プロセスの具体的な検討段階で有効性を発揮する。購入の承認をする人が、購入したいと思わせるような資料が必要である。

・デモンストレーション、マニュアル

製品のデモンストレーションやマニュアル、具体的な見積なども購入プロセスの検討の後半で有効である。これらは実際に利用する人などが評価する。

以下の図はコンテンツと影響する購入プロセスの例である。

顧客の購入フェーズや用意しているコンテンツに応じて、どのコンテンツがどの購入プロセスに影響するかを考えながら、コンテンツ戦略を練っていく必要がある。

「欲しい」という気にさせるためのコンテンツ作りの6つのポイント

こうして購入フェーズを考えてみると、コンテンツが潜在顧客に対してアプローチできる可能性があることがわかる。検討フェーズ以降でもコンテンツは重要であるが、特に認知フェーズにおいては、潜在顧客に「必要だ」と感じてもらうための「啓蒙」を意識したコンテンツが必要である。

認知フェーズでは、より多くの人の目に触れ、興味を抱いてもらえるコンテンツを用意することが必要だ。ソーシャルメディア上でシェアされるだけでなく、需要がある人達に「自社もアクションを起こさないと」という気にさせないといけない。

なお、マーケティングを意識したコンテンツでは、いわゆるアクセスアップのコンテンツ作り(タイトルやテキスト構成に重きをおいたもの)とは異なる考え方が必要であることに注意したい。

そのためには、以下の6つに注意してコンテンツを用意する。

1.売り込み要素は少なめに

売るためのコンテンツというのは、良い面ばかりが強調されている。認知フェーズにおいては、売り込み要素の強いコンテンツは読んでいるほうがしらけてしまう。読み手がわくわくして、考えさせるようなコンテンツが必要だ。

2.読み手にとって価値のあるものを

売り込み要素を抜いたことにより、一般論で終わってしまうとつまらないものになる。専門家だから提供できるここでしか得られない情報を含める。なお、ブログのキーワード選定については、「ブログマーケティング成功の秘訣!キーワード戦略」を参照して欲しい。

3.顧客との意識の差を埋める

課題や解決を提示しても、読み手に「不要」と切り捨てられるのは、意識の差があるからだ。どうしたら、少しでもその差を埋められるのかを考える。興味を示さない人の理由を考え、先回りした答えを用意する。

4.読みやすいこと、わかりやすいこと

専門性にこだわるばかりに、専門用語を羅列したり、難しい用語を使って概念的に説明しても、届くべき人に届かない。専門外の人にもわかりやすく、またイメージしやすいように書く。コンテンツの編集などは、編集やテキストのプロの力を借りて、よりわかりやすくすることも検討する。

5.目的からずれないこと

コンテンツマーケティングの目的の一つが販売促進するということである。わかりやすく専門的なのに、完成したコンテンツが企業活動の目的とずれてしまった、ということにならないように、全体像をとらえてコンテンツを効果的に用意する。

6.実証データを含める

企業が提供するコンテンツである限り、読者は偏りがあるという先入観を持って読む。その先入観を払拭するべく、できる限り客観的なデータを用いて、説得力を持たせる。

まとめ:効果を検証しながら長く続ける

コンテンツマーケティングは、実際の購入フェーズにおいてどのコンテンツがどれくらい読まれているのか、そこからどれくら問い合わせに発展したのか、ということも長期的に評価していく必要がある。

アクセスは多いがすぐに離脱されてしまうコンテンツがあれば、離脱の原因を分析するとともに、さらに興味を持ってもらうためのしかけを検討する。

また、潜在顧客にうったえるためには、TwitterやFacebookなどでコミュニケーションを長期的に行なったり、よいコンテンツを配信することで、何度も目に触れてもらう努力が必要である。

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