ブログマーケティング成功事例:無名から業界をリードする企業へ

B2B企業におすすめ!ブログマーケティング」では、ブログマーケティングの基本やメリットを解説した。その記事の中で事例としてブログマーケティングを活用している企業を3つ簡単に紹介した。そのうちの一つHinda Incentivesは、ブログマーケティング戦略や実際の効果などを公開しているので、今回はそのデータや戦略を詳細に注目したい。

さらに、その情報を元になぜHinda Incentivesのブログマーケティングが成功したのかを考える。

ソーシャルメディアの成功と比例して経営が成長

Hinda Incentivesは従業員の評価や報酬管理のサービスを提供する企業である。欧米では、従業員のモチベーション向上を目的として、企業内での業務成績に応じて報酬や商品(インセンティブ)を与えるインセンティブプログラムが普及している。企業内だけでなく、販売会社やパートナー会社も対象とする場合もある。Hinda Incentivesは、インセンティブプログラムをトータルにサポートする企業だ。

Hinda Incentivesはブログやソーシャルメディアを始める2009年以前は、ほとんどオンライン上の存在感はなかったという。しかし、ブログ、Twitter、LinkedInがうまくいくようになると、急成長企業リストに載るなど、経済的に大きく成長した。

以下、{grow} Case study: Fast-growing B2B expands social media exposure の記事を元に、同社の戦略および効果について整理した。

Hinda Incentivesはどのような戦略をとったのか?

Hinda Incentivesは、以下のような戦略のもとにソーシャルメディア、ブログを展開した。

インフルエンサーの発掘

Hinda Incentivesでは、最初にオンライン上のどの場所で、報酬管理についてどういう議論がされているのかを調べてみた。しかし、実際にはほとんどそのテーマについての議論は見つからなかった。

ソーシャルメディアと報酬管理は結びつかないということなのか?しかし、Hinda Incentivesはこれをチャンスととらえた。そして、その分野における数少ないオンライン上のインフルエンサーを見つけ、ブログやTwitterなどで彼らとコミュニケーションを取り始めた。

さらにHinda Incentivesは、報酬管理についての議論できるようなコミュニティを作り、インフルエンサーたちを招き、知名度をあげた。

ソーシャルメディアからWebサイトへの流入がゴール

Hinda Incentivesのソーシャルメディア戦略のゴールは「Webサイトへのトラフィックを増やす」という事に尽きる。Hinda IncentivesのWebサイトには、問い合わせやデモの申し込みなどがあり、顧客のリード情報を収集できる場所だからだ。

「ソーシャルメディア上の発言や記事を気に入ってくれたユーザーは、Webサイトも訪問してくれる」という仮説に基づき、ソーシャルメディアでの活動を行った。

ブログで専門性を、ソーシャルメディアで人間性を出す

ソーシャルメディアは、未知の領域だったので、力をいれるチャンネルをブログに限定し、TwitterとLinkedInを告知などに使うことにした。ブログでは、同社の専門性を強調し、TwitterやLinkedInでは人間味を出すことにした。

Hinda Incentivesの成果

こうした取り組みは、どのような成果を生んだのか。

顧客につながるTwitterのフォロワー

Twitterでは、顧客を中心にフォロワーが6ヶ月で2倍になった。Twitterでの会話を通し、売上につながる関係を構築し、品質の高いリードを得ることができた。フォロワー数が多ければよいわけではないので、数を増やすよりも顧客が実際にエンゲージしたくなるようなツイートをする。Hinda Incentivesのフォロワーは、頻繁にツイートやブログを見てくれるし、RTでメッセージを広めてくれる。フォロワーの中には実際にトレードショーなどのオフラインの場で会いに来てくれる人も多いという。

ブログで業界のリーダーに

ブログのトラフィックは1ヶ月に約1,000のユニークユーザーがいて、さらに30以上の企業のメール購読者がいる。Webサイトへの流入はそのうち15%となった。実はこれらのトラフィックが非常に強力で、2011年1月には、数十万ドルの販売機会を得た。

ブログで報酬管理について解説することでみんなの興味をひいた。しかもブログはPRツールでもある。業界関係者が、報酬管理について学ぶためにブログを読みに来るようになった。しかも他のブログで引用されたり、紹介されることで、業界の権威としてHinda Incentivesが位置づけられるようになった。

Webサイトへのトラフィック流入元の1位は検索、2位はブログ、3位がLinkedInとなっている。今後は、Webサイトにもソーシャル機能を強化する予定だ。

ソーシャルメディアマーケティングの成果はすぐには出ない。実際、1年半の努力が実って、今実際の成果になっている。ブログの記事もツイートも誰も見ていない時があったが、続けることで読者を少しずつ増やした。競合他社も今から始めようとしているが、Hinda Incentivesは大きくリードしている。

なぜ、Hinda Incentivesは成功したのか?

Hinda Incentivesはなぜ成功したのだろうか。いくつかポイントを整理してみよう。

戦略を事前に

Hinda Incentivesは、参入する前に事前に調査をし、適したアプローチ方法を探している。特に注力するキーワードがオンライン上でどのように扱われているのかを調べることは重要だ。ライバルが多ければ、それとは異なる戦略で行えばよい。

また、ゴールをあらかじめ明確にしていることも重要だ。ブログやTwitterはPRが目的、実際の販売につながるリード情報の獲得はWebサイトとわけることで、それぞれのツールの立ち位置がわかりやすくなる。

キーワードをとことん突き詰める

ブログの内容が一貫していることも成功の要因だ。記事の品質が高く充実しているからこそ、業界のリーダーになることができた。

数年前に日本で起こった企業ブログブームが失速した理由は、記事品質を保つことができなかったからである。記事の更新頻度をあげるため、次第に読者が必要としない情報を載せるようになり、結局誰も読まなくなり、消えていった。

なお、コンテンツ戦略におけるキーワードの重要性については、また別途取り上げる予定だ。

量より質

上記の説明を読めばわかるように、ブログのアクセス数、メールの購読者数は多いわけではない。また、Twitterのフォロワー数も2011年7月時点で663と多くない。しかし、Twitterでは2010年のB2B Twitterer of the Year Awardのファイナリストになっている(B2B Twitterer of the Year Awardとは、B2B向けの企業アカウントを評価するもので、フォロワー数やツイート数だけではなく、どれくらいビジネスとうまく連携させて活用しているかを評価するものだ。主催者側がノミネートしたTwitterアカウントに対し、投票によって優勝者が決まる)。

Hinda Incentivesの場合、フォロワー数は少なくても実際に企業に興味のある人、顧客になり得る人とコミュニケーションを続けることで、売上につなげている。

ブログもTwitterもFacebookページも、数値ではかれるフォロワー数やページビューなどを上げることに気を取られがちだが、少なくても品質の高い読者、フォロワーを維持することに注力し続けることはぜひ参考にしたい。

実際の売上につながるまでには、1年半と長い時間がかかっているが、ブログを続けることで業界のリーダーとしての位置を得るなど、その他の効果も含めて高いリターンがあるといえる。

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