Facebookの新広告「スポンサー記事」

Facebookページのリニューアルや、FBMLの新規追加停止などの大幅仕様変更にあわせて埋もれがちですが、2月8日はFacebookの広告にも新しいサービスが追加されました。それが「スポンサー記事」です。

日本語のヘルプなどが整備されていない上、その考え方がちょっとわかりにくいので、今回は「スポンサー記事」とは何かということについて整理し、その効果を考えてみます。また、設定方法についてもあわせて紹介します。

今回は、Facebookの発表したサービス紹介、現在用意されているヘルプを元に記事を作成しました。広告の配信設定を実際に行ったのですが、承認に時間がかかっており、日本国内での提供はまだ先なのかもしれません。実際に配信できたらまたその結果をまとめる予定です。もし訂正があれば、最新情報として追記していきたいと思います。

なお、Facebook広告の基本や概念については、「Facebook広告初めてガイド」でまとめているので、こちらもあわせて御覧ください。今回の記事では、Facebook広告の理解を前提として紹介しています。

追記:2011.2.17 AM11:00

広告の承認がおり、配信が開始されました。日本国内でも利用可能です。

スポンサー記事とは何か

スポンサー記事は、英語版では「Sponsored Stories」と呼ばれています。現在、日本語訳だと「スポンサー記事」になっているのでいまいちピンと来ないかもしれません。

スポンサー記事は、自分の友達とある企業や団体との間にFacebookを介したやり取りが生まれた場合(このやり取りが英語でいうところの「Stories:ストーリー」です)に、発生する広告です。

友達とある企業や団体との間に発生するFacebookを介したやり取りとは

自分の友達とある企業や団体との間のFacebookを介したやり取りには、以下のものが含まれます。

・友達があるFacebookページに対し[いいね!]をクリックしたとき

・友達があるアプリケーションの利用を開始したり、それに対して[いいね!]をクリックしたとき
・Facebookの位置情報サービスである「Facebook スポット」を使ってお店にチェックインしたとき
・友達があるFacebookページのウォールに新規投稿をしたとき

友達がこうしたアクションに対しプライバシー設定を「全員に公開」あるいは「友達に公開」に設定していた場合、あなたのニュースフィードに「◯◯さんが△△のFacebookページについて「いいね!」と言っています」というように、情報が表示されます。

この時、スポンサー記事が設定されている場合、あなたが閲覧しているFacebookの右側に広告が表示される可能性があります。

友達が自分のアクションを非公開に設定している場合は、あなたのニュースフィードにも表示されませんし、もちろん、広告としても表示されることはありません。

また、以下のようなものも広告の対象にはなりません。

・自分のウォールで、ある企業や団体、Facebookページについてコメントをしたとき

・友達のウォールで、ある企業や団体、Facebookページについてコメントをしたとき
・Facebookページのウォールに誰かが投稿した記事にコメントあるいは[いいね!]をしたとき

つまり、ウォールの投稿で対象になるのは、Facebookページへの新規投稿のみです。

なお、現在のバージョンでは、スポットへのチェックインとアプリの追加については対応していないようです。

どんな風に表示される?

広告の表示位置などは通常のFacebook広告と同様ですが、以下のような構成で表示されます。

広告を見るユーザーや見るタイミングによって表示内容が変わるということです。なお、自分の情報が友達に対して広告として表示されているかどうかは、知ることができません。もし、広告になるのがいやならば、プライバシー設定で表示相手を制限してください。

何がどうスゴイのか:友達のアクションを広告化する

広告のための特別な素材が不要

この広告がすごいことは、Facebookユーザーが日常的にFacebook上で行っているアクションを広告にしたことです。

私は最初に「Sponsored Stories」という名称を聞いたときに、これまで企業が広告として使ってきた「タイアップ記事」のようなものになるのかと思いました。つまり、特別な広告用のページや記事を作成し、それをコンテンツとして公開するというものです。

しかし、実際には、Facebookで日常的にやり取りされている情報を広告のようにして表示するという手法でした。特別なコンテンツを用意する必要はまったくありません。通常のFacebook広告では、広告用のテキストを設定する必要がありますが、それすら必要ありません。

友達の推薦は強力

もうひとつは、友人関係を最大限に利用しているということでしょう。これまでも「信頼している友達」の情報というのは、とても大きな力を持っていました。何かアクションを起こすと決めるとき、友達の意見や行動は意思決定のプロセスで重要な役割を果たすと言われています。アクションとは、例えば商品の購入であり、イベントへの参加であり、お店に行くことです。

ニュースフィードの情報はすぐに流れていってしまいますが、広告として表示される場合は、より多くのユーザーの興味を惹くことができます。

実際、Facebookの発表によれば、パイロットテストを行った結果、広告を見たときのアクション(クリック)、広告に対する好感度が通常の広告よりも高かったことがわかりました。

スポンサー記事では、「買ってください」「クリックしてFacebookページを訪れていいね!と言ってください」というようなことは言いません。あなたの友達が[いいね!]と言っていること、あるお店にチェックインしたこと、アプリケーションを使い始めたということだけを伝えます。

どういう企業・団体が活用するといいのか?

Facebookページについて[いいね!]と言っているユーザーが多い

スポンサー記事では、友達のFacebook上での広告主とのやり取りをトリガーにして発生します。

よって、Facebookページの広告について[いいね!]と言っているユーザーが少なかったり、ウォールへの投稿が少なかったりする場合は、まだスポンサー記事を利用するタイミングではありません。

少なくとも1,000人くらいの[いいね!]と言っているユーザーがいるといいと思います。Facebookページのユーザー数を増やしたい場合は、コンテンツを充実させたのちに、通常のFacebook広告を掲載するとよいでしょう。

Facebookスポットを利用する人が多い

飲食店や販売店など店舗があり、Facebookスポットでチェックインするユーザーが多い場合も有効です。

ただし、日本では、スポットのチェックイン情報を非公開にしている人も多い上、それほどユーザー数が多くないので、難しいかもしれません。

Facebookが公開している動画では、友達がSturbucksのあるお店にチェックインしたことが広告として表示され、それをきっかけにして、そのユーザーがSturbucksのFacebookページを訪れて[いいね!]をクリックするという流れが紹介されています。

Sturbucksのように、[いいね!]をしているユーザーがたくさんいて、店舗がいたるところにあるような条件がそろっているならば、このユースケースはありだな、と思いますが、日本の飲食店の現状では動画のようにはいかないと思います。

ソーシャルグラフを活用したアプリ

Facebookアプリの中には、ソーシャルグラフを活用しているために、使っている友達が多いほど楽しくなるものが存在します。このタイプのアプリが、「◯◯さんと△△さんがアプリを使い始めました」と表示される広告を使えば、大きな効果が得られるでしょう。使っている人がいないからやっていなかったけれど、友達も始めたのか!という気づきが、アプリの利用の動機になるからです。

これまでのFacebook広告とどう違うの?

「あれ、これまでのFacebook広告でもFacebookページの広告には「◯◯さんがいいね!と言っています」と表示されていたぞ?」と疑問に思ったかもしれません。違いは二つです。

まずFacebook広告には、任意の広告用テキストがつけられるが、スポンサー記事では付けられません。

そしてFacebook広告では、広告の配信先のカスタマイズが可能です。例えば、その広告対象(Facebookページ、イベント、アプリ)とつながりがある人の友達を配信設定にすることもできますし、つながりのない人や友達関係のない人を設定することもできます。一方で、スポンサー記事では、その広告対象(Facebookページ、イベント、アプリ)とつながりがある人の友達のみに限定されます。

早速設定してみよう

では、広告の設定方法を紹介しましょう。今回はファンページのスポンサー広告を出稿します。

Facebookページにアクセスして右側に表示される[広告を作成]をクリックします。

[Facebookに広告を掲載]画面が表示されます。

リンク先に広告を出すFacebookページ、タイプに[スポンサー記事]を選択します。

[記事のタイプ]で[「いいね!」の記事]を選ぶと、ユーザーが対象のFacebookページに[いいね!]をクリックしたとき、その友達に広告を表示します。[Facebookページの投稿の記事]を選択すると、ユーザーがFacebookページのウォールに投稿をすると、、その友達に広告を表示します。

続いてターゲット設定をします。[地域][ユーザー層][好きなものと趣味・関心]は、通常のFacebook広告と同様に設定できます。

[Facebook上のつながり]は選択できません。

[詳細ユーザー層ターゲット]も指定できますが、最初はターゲットをせばめずになるべく広く設定したほうがいいかもしれません。配信後の状態を見て設定を変えてみましょう。

[広告キャンペーン、価格設定、日程]の設定は、Facebook広告と同様です。「Facebook広告初めてガイド」で詳しく解説しているのでそれを見てください。

[注文する]で配信設定が完了です。

配信設定をすると、広告のインサイトを確認できるようになります。

関連:Facebook広告の変化

以前から利用できた「Facebook広告」のほうにも小さいけれど、効果は大きい変化がありました。それが広告をクリックしたときのランディングページ(最初に表示されるページ)の設定です。

Facebookページについて[いいね!]と言っている人を増やしたいなら[いいね!]ボタンのクリックをうながすようなページへ、特別なキャンペーンを実施していてそれの周知のためならキャンペーン情報を掲載したページへというように、目的にあわせて任意のページを選択できるようになりました。

まとめ:友達の影響力を最大限に使うスポンサー記事

Facebook広告もそうでしたが、スポンサー記事では、ますます友達の影響力を使う広告になりました。友達がFacebookページを[いいね!]と言ったり、アプリを使っていなければ、表示すらされないのですから、ある意味画期的です。

とはいっても、表示の条件などはやはりややこしいものです。

試しに理解度チェックのテストを用意しました。

[条件]

Social Media ExperienceがFacebookページとしてスポンサー記事の広告設定をしました。
Ayumiは、Facebookページに[いいね!]をしたことを、全員に表示するというプライバシー設定にしています。
Ayumiは、Social Media ExperienceのFacebookページに[いいね!]と言いました。
Fumiちゃんは、Ayumiの友達です。
Shintaさんは、Ayumiのお兄さんですが、Facebookでは友達になっていません。

上記の場合、「AyumiさんがSocial Media Experienceについて[いいね!]と言っています」が表示される可能性があるものはどれですか。

a)Fumiちゃんのニュースフィードと右側の広告

b)Shintaさんのニュースフィードと右側の広告
c)Fumiちゃんのニュースフィードのみ
d)Shintaさんの広告のみ
e)どこにも表示されない
f)Facebookユーザー全員のニュースフィードと右側の広告

わかりましたか?

答えは、aです。

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