ソーシャルメディアポリシーを考えよう

企業のブランド戦略にとって、ソーシャルメディアは必要不可欠なツールになりつつあります。従来の広告よりも低コストで、広い層により深くリーチでき、しかもリアルタイムのコミュニケーションができるといった点が、ソーシャルメディアをビジネスで活用する利点です。

しかし、一歩使い方を間違えて消費者からの反発を買ってしまうと、信頼の失墜、ブランド価値の低下という危機に陥りかねません。そこで、リスクを最小限にするべく、効果的なソーシャルメディアポリシーを策定して、従業員全員がルールに従った運用をする必要があります。

今回は、ソーシャルメディアポリシーとその必要性について、解説します。

そもそもソーシャルメディアポリシーとは何か

2005年、会社法が制定されたときに、企業が業務遂行のための適正を確保する体制を構築するための基本方針を制定し、それを実行することが義務付けられました。「ガバナンス」「内部統制」「コンプライアンス(法令遵守)」という言葉が一般社員にとっても重要な意味を持つようになりました。ガバナンスは企業活動を監視・管理するための仕組みで、活動を規定するポリシーを設定し、それに基づいて運用されているかどうかをチェックすることなどが含まれます。

ソーシャルメディアを活用する上でも「ガバナンス」という考え方はとても重要になります。なぜなら、日常の運用の中でソーシャルメディア活用はある程度管理できる部分もありますが、運用の中で予期しない事象が発生しうる可能性があり、またそれによって企業がダメージを受ける可能性があるからです。数々のソーシャルメディアに関係した炎上事件を思い起こすと、運用の難しさを実感できるでしょう。

つまり、ソーシャルメディアポリシーは、ソーシャルメディアを運用する時の潜在リスクを最小限にし、利益を最大限にするための施策です。ソーシャルメディアポリシーでは、やるべきこと、やってはいけないことを行動方針として定義し、従業員のソーシャルメディア運用を統制します。

ソーシャルメディアポリシーは、策定されたら従業員に周知し、適切に運用されなければなりません。TwitterやFacebook(フェイスブック)が簡単に利用できるツールであるがゆえに、ソーシャルメディアポリシーのコンプライアンスが弱いと、ソーシャルメディアの活用が逆効果になってしまいかねないからです。

ソーシャルメディアポリシーを作るには

どうしたら自社にあった適切なソーシャルメディアポリシーを策定できるでしょうか。法律が各国によって異なるように、どの企業でもぴったりあうような普遍的なソーシャルメディアポリシーはありません。企業文化や業種、従業員数、ソーシャルメディア活用の目的など、さまざまな要素を検討しながら策定します。

ソーシャルメディアポリシーを策定するにあたっては、以下の2点が必ず実現できるようにしましょう。

制限事項は明確に

ソーシャルメディアポリシーを読んだ従業員がソーシャルメディアを使って「やっていいこと」「やってはいけないこと」を明確に判断できなければいけません。内容がわかりづらく曖昧だと、ポリシーが守られなくなり、形骸化する可能性が高くなります。

管理者は従業員がポリシー遵守を徹底するように周知します。

継続的な見直し

ソーシャルメディアポリシーを策定し運用を開始したら、定期的に運用状況をチェックして、ソーシャルメディアポリシーの内容を改訂します。特にソーシャルメディアは動きが早く、新しいサービスや機能が追加された場合の規定や考え方などを検討します。

どんなことを規定するか

では、ソーシャルメディアポリシーとして、運用や利用方法を規定するべき項目を考えてみましょう。

振る舞い、態度、情報公開など全般についての規定

  • オンラインコミュニケーション全般の従業員の振る舞いについての規定
  • 会社の代表となる場合のオンラインコミュニケーションにおける従業員の振る舞いについての規定
  • オンラインコミュニケーションの情報公開ポリシー
  • 公式ブログの運用についての規定

  • 公式ブログのポリシー
  • 公式ブログの運用ポリシー
  • 公式ブログの投稿承認プロセス
  • 公式ブログのコメントポリシー
  • ソーシャルメディアの公式アカウントについての規定

  • ソーシャルメディア公式アカウントの運用ポリシー
  • ソーシャルメディア公式アカウントのコメント、メッセージポリシー
  • パスワードの運用ポリシー
  • 公式アカウントについては、Twitter、Facebook、YouTubeなど、サービスごとに運用ポリシーを定めることが望ましいとされています。

    ソーシャルメディアの個人利用のポリシー

  • 従業員の個人ブログのポリシー
  • 従業員のTwitter、Facebook個人プロフィールページの利用ポリシー
  • 策定する時のコツ

    実際にソーシャルメディアポリシーを策定するときに参考にしたいのが、自社の中で最もソーシャルメディアを理解している人の意見です。社内に誰もいなければ、他社の利用状況や外部のコンサルタントなどにアドバイスしてもらうのもよいでしょう。

    以下のようなポイントを整理して、策定していきます。

  • 就業規則や機密保持契約など、その他の社内規定との整合性
  • 公式利用のポリシーなのか、個人利用のポリシーなのかを明確に
  • 機密事項、企業の知的所有権、顧客/取引先などの機密情報の漏洩禁止
  • 企業に関わる投稿をする場合は、公式/個人を問わず立場、免責事項を明確にする
  • 企業の承認なしで企業ロゴや商標を利用しない
  • 投稿の際は、著作権などの関連する法令を遵守する
  • 公式ブログ、公式アカウントへの投稿時の承認体制
  • 宗教や政治など特定のトピックについての投稿の制限
  • 不適切な投稿やコメントの削除
  • 問題が発生した場合の対応
  • お手本を参考にする

    ソーシャルメディアを先行してい運用している一部の企業では、ソーシャルメディアポリシーを公開しているところもあります。

    NECのソーシャルメディアポリシー

    Intelのソーシャルメディアポリシー

    フォーマットや記述方法などは参考になるところが多いので、ぜひ見てみるとよいでしょう。検索すると、公開している企業を見つけることができます。自社と企業規模、業種、運用方式などが近い企業があれば、それをベースにカスタマイズして策定すれば、車輪の再発明を防げます。

    まとめ:ソーシャルメディアポリシーの利点

    ソーシャルメディアポリシーを策定することは、ソーシャルメディア運用のリスクを減らすだけでなく、運用状況の確認と改善にもつながります。また、ポリシーが明確になれば、従業員が活用しやすくなり、顧客やファンとの交流によるエンゲージメントを高めることにもつながります。

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