ソーシャルメディアとブランディング

Victoria’s Secretを選ぶ女性のパーソナリティ

アメリカである実験が行われた。被験者の女性に、2つのショッピングバッグのうちどちらかを持って、ショッピングモール内で1時間程度、買い物をしてもらう。選べるショッピングバックは、以下の2つ。

  • Victoria’s Secretのショッピングバック
  • ブランド名の入っていないピンク色のショッピングバック
  • (ちなみにVictoria’s Secretは、アメリカの女性用の下着ショップである。アメリカのショッピングモールには、ほぼ必ず店舗が入っている有名店である。販売している下着は、どれもかわいくてセクシーなものだ)

    買い物が終わった1時間後、被験者たちに、自分があてはまると思うパーソナリティの特徴をリストから選んでもらう。

    その結果、Victoria’s Secretのショッピングバッグを選んだ女性たちは、ピンク色のバッグを選んだ女性たちよりも、自分を「フェミニン」「グラマラス」「容姿が優れている」と考えている割合が高かった。

    ブランドによるパーソナリティの補正

    調査を実施した研究者によれば、人はパーソナリティについての考え方で2つに分けることができるという。今回の実験では、Victoria’s Secretへのイメージに影響された被験者は、パーソナリティは生まれ持ってのものであり、自分の努力で変えられるものではないと考える傾向が強いことがわかった。こうしたタイプの人は、ブランドなどの外的要因を使って自分のイメージを作ろうとする傾向があるという。一方、Victoria’s Secretを持っているかどうかに特に影響されなかった被験者は、パーソナリティは自分の努力で変えられると考えているということがわかったという。

    (参考:Can a Victoria’s Secret shopping bag make you feel glamorous?  オリジナルの調査文献(Got to Get You into My Life: Do Brand Personalities Rub Off on Consumers?)はJournal of Consumer Researchにて2011年2月に発表予定)

    上記の調査では、ブランドがパーソナリティに影響を与えると考えている人の割合に言及されていないが、消費者が持つブランドイメージが購買行動に影響を与えることがわかる。

    ブランドとは何か

    そもそもブランドとは何か。The American Marketing Association(AMA)はブランドを次のように定義している。

    名前、用語、サイン、シンボル、デザイン、あるいはこれらを組み合わせたもので、特定の販売会社や販売会社のグループの製品やサービスを関連付ける、あるいは他の販売者によるものと差別化をはかるもの。

    つまり、ブランドとは、顧客や見込み客から見て、製品やサービスをオンリーワンとして認識させるためのものであると言える。

    なお、冒頭の例がVictoria’s Secretの製品である下着ではなく、ロゴの入ったショッピングバッグであることにも注目したい。この例から、ブランドは目に見える実際の商品だけでなく、ブランドが持つイメージそのものが人々の心理に影響を与えていることがうかがえる。

    よって、ブランドはAMAの定義よりも広く、製品やサービス、ロゴなどに加え、広告、製品の対象者、その企業の理念や哲学、消費者と製品との関わり(購買経験や製品にまつわる思い出)、ショップの雰囲気やショップ店員など、さまざまな要素が混じり合って作られていると言える。

    こうしたブランドのイメージは、消費者それぞれの心にあるものである。企業がコントロールできるイメージもあれば、消費者によって作られ企業がコントロールできないものもある。

    ファンになる理由を考える

    ここでFacebook(フェイスブック)のファンになる理由を考えてみたい。アメリカの調査では、ファンになる最も多い理由が「クーポンなどのディスカウント目的」、次いで「最新情報の取得」であるという。(参考:Study: 60% of Consumers Follow a Brand via Social Media, Most Because of Coupons or Promotions

    一方で、「そのブランドのファンである自分をアピールするため」という人も多いことがわかっている。これは、先に述べたように、ブランドのイメージを使って自分のパーソナリティを補完しようという心理が影響している。よって、ファンページを作る場合、ブランドを意識したページ作りをすると、ブランドに惹かれてやってきたファンの満足度をあげることができる。

    ブランドを意識したファンページとは

    ここでは、企業がブランドというイメージをある程度確立していることを前提として、ブランドを意識したファンページ作成のコツを紹介する。

    ブランドであることがすぐにわかるようにする

    ファンページにアクセスしたときの第一印象はとても大事である。ファンページでも、統一したブランドイメージを持たせなければいけない。そのためには、まずプロフィールページをきちんと作ろう。また、適切な写真、ロゴをのせること。

    情報は常に最新に

    ファンになった人が最新の情報を常に取得できるように、毎日情報の更新をするようにしよう。

    ファンとのコミュニケーションを楽しもう

    コミュニティの運営ポリシーにもよるが、できれば自然な会話の中でファンとの交流を楽しむことで、消費者との距離を縮めることができる。運営管理者の名前や顔を出すことも効果的だ。

    また、ファンページというコミュニティの中でファン同士が交流しやすいように、ディスカッショントピックを投稿したり、アンケートを実施したりするのもよい。

    まとめ:Facebookはブランドを加速する

    ソーシャルメディアが日常になるに連れて、企業からのアピールよりも、友達からのオススメのほうが影響が大きくなった。

    ファンページの「いいね!」は、ファンになったユーザーの友達のフィードに流れていく。こうした自然のオススメが発生しやすいFacebookでは、ブランド価値をさらに拡大することができる。

    「あの企業のファンであることがステータス」というくらいになれば、自然とファンが集まりコミュニティが盛り上がる。ブランド価値を高めることで、結果として購入の動機にもつながっていくはずだ。

    関連記事


    この記事にコメントをどうぞ

    Social Media Experience
    記事提供
    運営会社