経営者をその気にさせる7つのアプローチ

会社の方針でソーシャルメディアはやらない

先日、ある専門学校の広報も兼ねた事務を担当している人と話をする機会がありました。「Twitter公式アカウントや、Facebook(フェイスブック)のファンページなどはやらないのですか」と私が問うと、その人は「絶対むりですね」と言いました。理由は1つ。

「ソーシャルメディアを知らない」

その専門学校では学校案内用のWebサイトを持っています。学校のカリキュラムや地方校の紹介に加え、在校生の声や活躍している卒業生の紹介など充実した内容です。SEO対策の費用もかけているので、検索などでは上位に表示されます。月間のページビューは月によってばらつきがあるものの、およそ3,000から6,000といったところでしょうか。小規模の専門学校としてはまずますのアクセス数です。

過去に彼が校内の様子を伝えるようなブログを開設してみてはどうか、と経営者に提案したことがあるそうです。しかし経営者の方は「Webサイトがあれば十分」と言い、提案を却下したそうです。

この調子なら、TwitterもFacebookも「Webサイトで十分」ということになってしまうでしょう。「中小企業では、よくあることだと思いますよ。」と彼は言いました。

特定の分野について教えている専門学校であれば、その分野に興味のある層にピンポイントでメッセージを送れば、とても効果的な広報やマーケティングを展開することができるはずです。経営者を説得することはできないのでしょうか。そこで私は説得するための7つのポイントを考えました。これは、専門学校に限らず、中小企業全般にもあてはまるポイントです。

1. 顧客はソーシャルメディアのアカウントを探している

2000年以前は、学校や企業の情報を知るためには、案内用のカタログを取り寄せる必要がありました。それがWebサイトに移行することで、より多くの層にリーチすることができるようになりました。

ソーシャルメディアはより多くの人に深くリーチすることを可能にします。Webサイトがカタログの代理になったように、今後TwitterのアカウントやFacebookのファンページもアクセスするための電話番号のような存在になっていくでしょう。そうなってから慌てても遅いのです。

2. 導入コストがかからない

カタログやWebサイトには、制作費や印刷費、サーバーの管理費、SEO対策費などがかかります。

しかし、TwitterもFacebookもアカウント登録は無料ですし、自分たちで運用することができるのです。経営者にとっては、無料でできることは魅力的なはずです。導入コストがかからないのだから、まずはアカウントを作成し、運用を始めて効果を伝えてみるのもよいでしょう。

運用効果としては、Webサイトへの流入、そこからの問い合わせの発生件数、フォロワー数、RT数などを数値として紹介するとよいでしょう。

3. 声を聞くことができる

ソーシャルメディアを通して、既存顧客や新規顧客とつながることで、彼らが何を望んでいるのか、何を期待しているのかソーシャルメディアを通して聞くことができます。

例えば専門学校の場合、在校生は既存顧客、学校を探している生徒は潜在顧客です。彼らのTwitterのツイートを見ていれば「もっと◯◯のことを習いたいが、学校にはクラスがない」「××の資格を取りたい」「△△の設備が古い」など、これまで聞こえてこなかった具体的な需要や要望が聞こえてくるはずです。

ただし、Twitterのアカウントに直接意見を言ってくるユーザーは少ないでしょう。Twitterの検索なども駆使してユーザーの声を探してみましょう。

4. コミュニティにアクセスすることができる

ソーシャルメディアは、顧客以外にもリーチすることができます。同じ分野に興味を持っている人たちがTwitterのフォロワーになったり、Facebookのファンになれば、彼らにもソーシャルメディアを通して情報を伝えたり、アクションを起こしてもらうことができます。

例えば、学校で主催あるいは共催、協賛するようなイベントがある場合、そうした情報をソーシャルメディアを使って提供すれば、興味のある人たちが会場にやってくるでしょう。

これまでは、企業は既存のメディアや情報サイトを使って顧客に情報を発信していました。企業がこうしたサイトに情報を載せたり、そのサイトを通して問い合わせを受ける場合、いくらかの料金が発生していました。そうした細かな費用を削減できることもメリットです。

5. 情報がシェアされる

ソーシャルメディアのよいところは、ユーザーの間で情報がシェアされることで広がっていくことです。つまり、顧客でもなく、ファン/フォロワーでない人たちにも情報が届けられる可能性があるということです。

広報活動は情報が一方通行だったのに対し、ソーシャルメディアではユーザーの中でさらに情報が複数の方向にひろがっていくことがあります。うまくいくと、キャンペーン情報などが一気に広がっていくことがあります。ただし、悪い情報も広まりやすいことに対しては注意が必要です。

6. フリーアドバイスやリンクでアピール

専門性をいかした情報や有用な情報へのリンクを定期的にポストすることで、信頼感を得ることができます。本やネットではなかなか手に入らないような専門的な情報であればユーザー間でシェアされ、知名度も高まります。

また、自社が運営する以外のソーシャルメディアにも積極的に関わり、意見やアイデアの交換をはかり、存在感をアピールすることもよいでしょう。専門学校ならば、その業界の団体などに貢献するのもよいでしょう。しかも、こうした活動は自社だけでなく、ひいては業界全体にもよい影響を与えるようになるはずです。

7. オンラインで長くつながることができる

中小企業にとって、新規顧客獲得も大事ですが、既存顧客との縁を切らさないことも重要です。ソーシャルメディアを介して長くつながることができます。

例えば卒業した生徒たちでも、ソーシャルメディアを介して業界の情報交換をしたり、在校生たちの就職相談にのったりするといったことができるはずです。

これらのポイントを伝えてみる

今回は専門学校を例にしましたが、それぞれの企業の特色や業種を踏まえて具体的にアプローチするといいでしょう。

日本ではソーシャルメディアのビジネス活用は始まったばかりです。なかなか新しい取り組みに率先して挑戦するという風潮がない中で、メリットを根気よく伝え、試験運用でその効果をアピールすれば、伝わるかもしれません。

ソーシャルメディアのアカウントを作るのは無料ですが、運用していくには、時間と人件費がかかります。経営者をはじめ、全社の理解があって初めて長期的な運用ができます。

ちなみに、現在アメリカでソーシャルメディアの活用が成功しているほとんどの企業が、早くからソーシャルメディアの可能性に気づき、いろいろな取組をしてきたという事実があります。今、まだ日本での活用事例が少ない中で効果的に利用すると、その行為自体が話題になり、企業アピールにつながるかもしれません。

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