中小企業のためのファンページ

Facebookのファンページが与えたインパクト

Facebook(フェイスブック)のファンページは顧客との対話を通じ、以下のようなことをこれまでとは違ったチャンネルで実現することを可能とした。

  • プロモーション
    例:新商品やイベントの案内、キャンペーンなど
  • カスタマーサポート
    例:質問、要望、苦情などの受付と回答など
  • コラボレーション
    例:ユーザーからのアイデア募集、ディスカッションなど
  • しばしばFacebookのファンページの成功事例が紹介されているが、たいていはすでにネームバリューもある大企業の活用方法ばかりである。これをそのまま中小企業やローカルビジネスが適用できるかといえば、必ずしもそうではない。

    しかし、ローカルビジネスにはローカルビジネスなりの活用方法がある。ファンページは、大企業とは違ったローカルビジネス向けの上手な使い方があるのだ。

    地域特性を活かしたプロモーション

    ローカルビジネスの顧客となる人は、近隣住人や地域を訪れる観光客だ。プロモーションするなら、地域特性を活かした情報をリアルタイムで発信すると効果的だ。

    Pike Brewing Company」は、シアトルに住んでいた頃の私の行きつけのブリューワーの1つである。ビールの醸造、販売だけでなく、レストランバーも運営しており、新鮮な地ビールが楽しめる。このブリューワーはシアトルの主要観光名所であるPike Place Marketにある。

    Pike Brewing Companyのファンページを見てみよう。

    掲示板を見るとPike Place Marketのイベントや自社が協賛しているイベントのチケット情報、参加するビールフェスタ(主に州内)、さらにはシアトルの海の色の情報までを定期的に投稿している。こうした地域に根ざしたタイムリーな情報は、近隣住民やビールファンにとっては興味深く、またイベントの集客にもつながる。

    店のスタッフによるこうした地域情報の発信は、店に何度か来たことのあるお客さんにとっては、店(またはイベント)に再度行ってみようというきっかけになるし、初めてのお客さんや観光客にとっては、周辺の観光やイベントと合わせて行ってみようという気にさせてくれるものである。

    カスタマーサポートはファンページで行うべきか?

    Facebookのファンページでは、掲示板などで顧客からの質問や苦情などを受け付けることもできるが、カスタマーサポートのチャンネルとしてファンページはあまり向いているとは思えない。

    例えば、MasterCardでは掲示板上に加入方法などについて顧客から質問が投稿されることがある。MasterCardでは、こうした質問についてもコメントを返し、適切なWebページへの誘導をはかったり、対応方法を説明しているが、必ずしも完璧ではない。

    以下では、ある顧客がオンラインでのクレジットカードの加入方法を聞いている。MasterCardは直接発行できないので地元の金融機関に行くようにアドバイスしている。その顧客はさらに費用について問い合わせているが、MasterCardからの返答は5日後の時点でされていない。他の方法で返答したのかもしれないが、このやり取りを見た人たちには、顧客が置いてけぼりになっているように思える。

    mastercard

    つまり、顧客の層が広く、状況に応じたカスタマーサポートが必要な場合は、ファンページでの対応はほぼ不可能なのだ。専任の担当者をつけても漏れがでてしまうだろう。

    一方上手にファンページを「カスタマーサポートの告知の場」として利用しているのがシアトルの公共図書館(The Seattle Public Library)である。この図書館は館内に整備されたFree-WiFi、400台以上のコンピューターなどで先進的な図書館として有名である。

    ファンページを見ると、「Ask a Librarian」というタブが用意されている。クリックすると、質問を受け付けるのではなく、チャット、電話、メール、テキストメッセージなどの既存のサポートの利用方法が紹介されているのである。

    顧客からの質問が多くなる業種であれば、ローカルビジネスであってもファンページを利用して個別に対応するよりも、既存のサポートに集約したほうがよいこともある。

    ファンページを使った顧客とのコラボレーション

    ファンページのよいところが掲示板へのコメントや写真の投稿、それにディスカッションにより、ファンになったユーザーと協力できることである。ユーザーが投稿するコメントやアイデアなどから新しいサービスや製品を生むことも可能であろう。

    ディスカッションのページで、レストランのスペシャルコースの内容を決めたり、ユーザーの特徴や好みに合わせた商品開発(香水やキャンドル、手作り帽子など)を行っている企業もある。小規模なレストランや店であればこそ、こういったユーザーの声にあわせた柔軟な対応ができる。

    アイデアを募るとまではいかないまでも、ユーザーのレビューやコメントはファンページの重要な要素であり、ファンとローカルビジネスの関係をより深くすることができる。

    Pike Place Marketのページは、ユーザーの投稿で賑わっている。

    例えば写真を見てみると、たくさんの人たちが撮影したマーケット内の様子を楽しめる。観光地などは訪問者の写真投稿を促すことで、まだ訪問したことがない人に向けたよいアピールになるだろう。

    またディスカッションやレビューなどでも、ユーザーの自由な意見が書き込まれており、これから訪れる人達にとっては参考になる。

    顧客を知り、顧客が話したくなる状況をつくること

    この記事を書くにあたって、ローカルビジネスを中心に多くの中小企業のファンページを見てみた。上手に活用しているところもあれば、管理者側の更新もユーザーからのコメントも少ないところもあった。

    上手に活用しているところは、やはり顧客のことを知っており、店の情報だけでなく、近隣情報などもあわせて紹介している。また、顧客からのコメントの受け付け方なども運営側のポリシーが見られる。

    顧客を知り、彼らの求める情報を与え、顧客の声を聞くようにファンページをうまく使えば、新規顧客を増やし、さらにリピート率を上げることもできるはずだ。

    関連記事


    この記事にコメントをどうぞ

    Social Media Experience
    記事提供
    運営会社